TVer広告とYouTube広告の違いは?
見られ方・スキップ・届く人と、使い分け方

動画の広告を出そうとすると、まず候補に挙がるのがTVerとYouTubeです。どちらも地域を絞って出せて、テレビ画面にも流れます。では、何が違って、自社にはどちらが合うのでしょうか。この記事では、両社の公式情報をもとに、広告が流れる場所、スキップの有無、届く人、絞り込み方、出すまでの手間、動画の作り方を並べて比べます。
01広告が流れる場所は、どう違う?
いちばん大きな違いは、広告の隣にある動画です。TVerは、民放の放送局が作った番組だけを配信しています。YouTubeは、企業や個人が投稿した、さまざまな動画が集まる場所です。
- 企業や個人が投稿した動画の前後や途中
- ほかのサイトやアプリ(動画パートナー)にも出る
- 広告を出す動画の範囲を3段階から選ぶ
- 民放の放送局が作った番組の前後や途中
- 番組は放送局の公式コンテンツだけ
- 放送局や番組は選べず、ジャンルまで選べる
TVer社は公式コラムで、番組が放送局の公式コンテンツだけなので、不適切な投稿動画の隣に広告が出るおそれを抑えられると説明しています。「テレビ番組の合間」という場所そのものが、TVer広告の特徴です。
YouTube広告でも、広告を出す動画の範囲を選べます。Googleのヘルプによると、広告枠は「最大」「標準(推奨)」「制限付き」の3種類で、標準が初期設定です。性的な表現や暴力などを含む動画をどこまで避けるかを、自社で決められます。
02スキップできる?広告の形の違い

TVer広告は、スキップできない形だけです。長さは6〜60秒の間で決められ、番組の前・途中・後にランダムに入ります(TVer社の公式情報、2026年10月時点)。
YouTube広告には、いくつもの形があります。Googleのヘルプから、主なものを並べました(2026年10月時点)。
| YouTubeの広告の形 | スキップ | 長さ |
|---|---|---|
| スキップ可能なインストリーム | 5秒後からできる | 3分未満がおすすめ |
| スキップ不可のインストリーム | できない | 15〜60秒 |
| バンパー | できない | 6秒 |
| インフィード | 押されたら再生 | 上限なし |
| ショート | すぐ次へ送れる | 60秒未満がおすすめ |
代表的な「スキップ可能なインストリーム」では、5秒たつと見る人が広告を飛ばせます。そのかわり、30秒以上見られた場合(30秒より短い広告は最後まで)か、広告が押された場合に費用がかかる仕組みを選べます。見たい人にだけ費用を払う形といえます。
TVerは、全員に最後まで見てもらう前提の広告です。YouTubeは、興味のない人には飛ばしてもらい、残った人に深く伝える広告です。同じ動画の広告でも、考え方が逆だと覚えておきましょう。
03届く人は、どう違う?
使っている人の数は、YouTubeが大きく上回ります。総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月調査)では、動画サービスの利用率はYouTubeが84.4%、TVerが35.9%でした。TVerを使う人の年代や男女の違いは「TVerの利用者数はどれくらい?」で紹介しています。
一方、広告を見ない人の数にも違いがあります。YouTubeには、月額の「YouTube Premium」があり、入っている人は広告なしで動画を見られます。TVerは無料のサービスで、TVer社は有料プランで広告を見なくなる人がいないことを強みに挙げています。
見ているときの気分も違う
TVerで見られているのは、ドラマやバラエティ、ニュースなど、放送局の番組です。TVer社は、見たい番組を自分で選んで見に行く「目的視聴」のメディアだと説明しています。YouTubeは、調べものの動画から、短い動画の流し見まで、使い方の幅が広いのが特徴です。
どちらがよいというより、自社のお客様が、どんな気分のときに広告に出会うと受け取りやすいかで考えると、選びやすくなります。
04絞り込み方は、どう違う?
どちらも地域・年齢・性別で絞れますが、それ以外の絞り方に違いがあります。Googleのヘルプと、TVer社の公式情報から比べました(2026年10月時点)。
- 年齢・性別、子どもの有無、世帯収入
- 興味・関心、ライフイベント
- 最近の検索語句、自社の顧客リスト
- チャンネル・動画・トピック・キーワード
- パソコン・スマホ・テレビ画面などの端末
- 年齢(1歳刻み)・性別は本人の登録情報
- 地域は登録した郵便番号
- 興味・関心17項目
- 番組ジャンル5つ
- 外部の会社のデータとの組み合わせ(使えるかは代理店に確認)
YouTubeは、最近Googleで検索した言葉や、自社の顧客リストをもとに絞れるなど、選び方の幅が広いのが強みです。TVerは、選び方は少ない一方で、年齢と性別に本人が登録した情報を使っています。
なお、TVerで外部の会社のデータを使った絞り込みなどは、配信の方法や代理店のプランによって使えるかどうかが変わります。使いたい条件があれば、申し込む前に代理店に確かめましょう。
地域の判定の仕組みも違います。Googleは、ユーザーの設定や使っている端末、Googleのサービスでの行動など、さまざまな手がかりから判定するとしています。TVerは、利用者が登録した郵便番号をもとにしています。詳しくは「YouTube広告を地域に絞って出すには?」と「TVer広告は地域指定できる?」をご覧ください。
05出すまでの手間と審査は?
出すまでの道のりは、かなり違います。YouTube広告は、自社でGoogle広告のアカウントを作れば、自分で出せます。Googleのヘルプによると、広告の審査はほとんどの場合、1営業日以内に終わります。
TVer広告は、広告を出す会社が直接申し込むことはできず、TVer社と取引のある広告会社(代理店)を通して出します。審査は各放送局が行い、会社についての審査と、CMについての審査が、それぞれ3営業日ほどかかります。
TVerの審査の基準は、地上波のテレビCMとおおむね同じとされています。テレビCMと同じ目で見られる広告だからこそ、配信したい日から逆算して準備しましょう。審査の中身は「TVer広告の審査とは?」で紹介しています。
06動画の作り方は、どう変える?

同じ撮影から両方の広告を作ることはできますが、編集は変えたほうがよい点があります。
- スキップされる前提で、最初の5秒に社名と相手
- ショートなら縦型も用意
- 長めの説明動画も使える
- 最後まで見られる前提で、15秒・30秒を組み立てる
- 横長16:9だけ
- テレビ画面はタップできないので、検索する言葉や電話番号を見せる
YouTubeのスキップできる広告では、5秒たてば飛ばされることがあります。社名と「誰のための広告か」を、最初の5秒の中に入れるのが基本です。ショートの広告枠に出すなら、縦型の動画も用意します。
TVerは横長の16:9だけです。最後まで見てもらえる前提で、15秒・30秒の構成を組み立てられます。テレビ画面ではタップできないため、最後に検索する言葉や電話番号を見せます。TVer向けの作り方は「TVer広告のCMの作り方」で詳しく紹介しています。
07目的別、どう使い分ける?
ここまでの違いをもとに、目的別の使い分けの考え方をまとめました。どちらか一方に決めるより、役割を分けて組み合わせる方法もあります。
たとえば山梨の会社なら、県内の人にはTVerで「テレビで見る会社」として知ってもらい、興味を持って調べた人には、YouTubeで施工の様子や商品の使い方など、長めの動画を見てもらいます。知ってもらう場所と、詳しく見てもらう場所を分ける使い方です。
迷ったときは、次の3つを自分に問いかけてみてください。
- お客様は、まだ自社を知らない?知らないなら、まず名前を届けるTVerが候補です。
- 説明に時間がかかる商品?使い方や比べ方を見せたいなら、長い動画を置けるYouTubeが向きます。
- 自社で設定や見直しをする人がいる?いなければ、代理店に任せる前提で選びます。
少額で始めるなら、YouTubeで地域と動画の反応を確かめてから、反応のよかった内容でTVerのCMを作る順番も考えられます。費用の考え方は「映像広告を低予算で始めるには?」で紹介しています。
業種別に見ると
業種ごとに、TVerとYouTubeの役割の分け方の例を挙げます。
08よくあるご質問
Q同じ動画を、TVerとYouTubeの両方に出せますか?
出せます。ただし、TVerは入稿規定(横長16:9、ファイルの形式、音の大きさなど)に合わせた書き出しと、各放送局の審査が必要です。YouTubeのスキップできる広告に出すなら、最初の5秒の見せ方を変えた版を作ると、両方に合わせやすくなります。
QYouTube広告は自分で出せるのに、TVerはなぜ代理店経由なのですか?
TVer社は、広告を出す会社と直接の取引をしておらず、TVer社と取引のある広告会社を通して出稿する決まりです。会社とCMの両方について、各放送局の審査も受けます。
Qどちらもテレビ画面に流れるのですか?
はい。TVerは再生の約4割がテレビ画面(2025年、TVer社の発表)で、YouTubeも、Google広告の設定でテレビ画面を配信先に選べます。テレビ画面で流れる広告の全体像は「コネクテッドTV広告とは?」で紹介しています。
Qどちらが合うか、相談して決められますか?
はい。目的、お客様の年代、地域、ご予算をお聞きして、TVerとYouTubeのどちらか、または組み合わせをご提案します。1回の撮影から、両方に合わせた動画を作ることもご相談いただけます。
TVer広告は、放送局の番組の合間に、スキップされずに流れます。YouTube広告は、使う人が多く、広告の形や絞り込みの幅が広く、自社ですぐ始められます。「番組の中で信頼とともに知ってもらう」ならTVer、「興味のある人に詳しく見てもらう」ならYouTube。役割を分けて組み合わせましょう。
参考:TVer広告「TVer広告とは」/TVer広告「よくあるご質問」/TVer広告「入稿規定」/TVer広告 公式コラム「TVer広告が選ばれる理由」(2026年6月)/TVer広告 公式コラム「出稿までの流れ」(2026年7月)/TVer広告 公式コラム「コネクテッドTV広告が選ばれる理由」(2026年6月)/Google 広告ヘルプ「動画広告フォーマットの概要」/Google 広告ヘルプ「動画キャンペーンのターゲティングについて」/Google 広告ヘルプ「広告の対象地域を設定する」/Google 広告ヘルプ「動画キャンペーンのコンテンツの除外について」/Google 広告ヘルプ「広告の審査プロセスについて」/YouTube ヘルプ「コンテンツと YouTube Premium」/総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。
この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。