TVer広告読了 約10分

TVer広告の審査とは?
業態考査・素材考査と、入稿前の準備

執筆:木本 一心(ホマレグラフ株式会社 代表)出典 7件を記事の最後に掲載
TVerのロゴと「TVer広告の審査の流れ」の文字

TVer広告を出そうと決めたら、次に気になるのが「審査」です。「配信したい日に間に合わなかった」「審査で表現を直すことになった」とならないために、何を準備しておけばいいのでしょうか。この記事では、TVer社の公式情報をもとに、審査の中身と配信までの日数、気をつけたい表現、入稿の決まりを順に見ていきます。

01TVer広告の審査は、誰が何を見る?

TVer広告の審査は、大きく分けて次の2つです。どちらも、TVerに番組を配信している各放送局が行います。

ここで知っておきたいのが、審査は放送局ごとに行われるという点です。TVer社の公式コラムによると、2つの審査の両方に通った局から順に配信が始まります。言いかえると、ある局の審査に通らなかった場合、その局の番組には広告が流れません。また、放送局の審査や広告枠の空き状況によっては、配信されない場合もあると案内されています。

02配信までの流れと、日数の目安

TVer社は、広告を出す会社と直接取引をしていません。TVer広告は、TVer社と契約している広告会社(代理店)を通して出稿します。TVer社の公式コラムでは、配信までの日数の目安が次のように示されています。

代理店がTVer社と新しく契約する場合は、書類を出してから素材考査が終わるまで、合わせて14〜19営業日、カレンダーでは3〜4週間ほどかかる計算です。すでにTVer社と契約している正規代理店に依頼する場合は、業態考査と素材考査の期間が中心になります。

ただし、CMを新しく作る場合は、その制作の期間も必要です。制作の流れと日数は「CM制作の流れと期間」で紹介しています。審査で表現の修正を求められることもあるため、配信したい日から逆算して、1か月半〜2か月ほど前には相談を始めると安心です。

繁忙期や年末年始は、さらに余裕を

日数の目安は「営業日」で数えます。年末年始や大型連休をはさむと、実際の日数は長くなります。ゴールデンウィークやお盆、山梨なら桃やぶどうの季節など、お客様が動く時期に合わせて配信したい場合は、特に早めの準備をおすすめします。

03業態考査で見られること

業態考査は、広告を出す会社そのものと、扱っている商品やサービスについての審査です。TVer社の公式コラムでは、広告主が「広告掲載基準」を満たしているかを見る審査と説明されています。代理店が管理画面から申請し、結果は通常3営業日ほどで届きます。

テレビCMと同じように、業種によっては審査が厳しくなったり、広告を出すこと自体が難しかったりする場合があります。ただし、どの業種が出せないかの一覧は、TVer社の公式サイトでは公開されておらず(2026年10月時点)、判断は放送局ごとに行われます。

新しい業種や、法律の規制がある商品・サービスを扱う場合は、出稿を決める前に、代理店を通して事前に確認しておくと安心です。

04素材考査で気をつけたい表現

素材考査は、CMの映像や音声、文字の内容についての審査です。細かい基準は公開されていませんが、TVer社のよくあるご質問では、審査の基準は地上波のテレビCMとおおむね同じとされています。そのため、日本民間放送連盟(民放連)の放送基準(2024年4月施行)が参考になります。放送基準には、たとえば次のような決まりがあります。

「No.1」「日本一」には根拠が必要

特に気をつけたいのが、「No.1」「日本一」「最高」といった表現です。消費者庁の調査(2024年9月公表)では、消費者1,000人のうち約5割が、新しい商品を買うときの判断にNo.1の表示が「かなり」または「やや」影響すると答えています。合理的な根拠のないNo.1の表示は、景品表示法の問題になります。

報告書では、使ったことがあるかを問わず、ウェブサイトを見た印象だけで答えてもらう「イメージ調査」を根拠にした「顧客満足度No.1」などの表示は、問題となるおそれがあるとしています。イメージ調査だと注記していても同じです。

CMで使う場合は、いつ、誰に、どんな方法で調べた結果なのかという根拠を用意し、表示の中身と調査の中身が合っているかを確かめます。そのうえで、調査の時期や対象を、見る人が読み取れる形で画面に示しましょう。

音楽や映像の権利も確認を

CMに使う音楽、写真、イラスト、出演者などは、広告に使ってよいかの権利の確認が必要です。市販の曲や他社のキャラクター・商標は、権利者の許諾なしには使えません。BGMの扱いは「会社の動画にBGMはどこまで使える?」で紹介しています。

05業種別、つまずきやすいポイント

山梨でなじみのある業種を例に、CMの表現で気をつけたいポイントをまとめました。

いずれも、業種ごとの法律や放送基準の決まりを知ったうえで、表現を工夫することが前提です。「言いたいこと」を「言ってよい形」に整えるのも、CMを作る側の大切な仕事です。企画の段階から審査を見すえて表現を考えておくと、修正の手間や日数を減らせます。

たとえばワイナリーのCMで試飲の場面を入れるなら、酒類業界の自主基準(2026年7月最終改正)が参考になります。テレビ広告では、25歳未満の人をモデルに使わず、25歳以上でも25歳未満に見えるような表現はしないと決められています。

飲む場面で喉元をアップにしない、「ゴクゴク」という効果音を使わない、といった決まりもあります。テレビ画面にも流れるTVer広告でも、同じ考え方で作っておくと安心です。おいしさは、飲む量ではなく、表情や景色で伝えましょう。

06入稿規定:CMの素材に必要な仕様

TVer社の公式の「広告入稿規定」では、CMの素材について、次のような仕様が決められています(2026年10月時点)。

秒数は「6〜60秒の間」で決められる

「6秒・15秒・30秒・60秒から選ぶ」と紹介されることもありますが、TVer社の公式の入稿規定では、6秒から60秒の間で任意とされています(それ以外の長さは事前の相談が必要)。テレビCMで使われる15秒や30秒に合わせておけば、テレビCMと素材を共通にしやすくなります。

画面の大きさは、スマホ・PC向けが1280×720、テレビアプリ向けが1920×1080です。テレビアプリに配信しない場合は、1280×720の素材だけでもよいとされています。

音の大きさにも決まりがある

CMの平均の音量(ラウドネス)は、テレビCMと同じ「-24LKFS」が目標とされています。自分で編集した動画は、この基準に合わないことがあるため、仕上げの段階で整えます。BGMを大きくしたスマホ向けの動画は、特に注意が必要です。

動画と一緒にバナー画像を出す「コンパニオン広告」にも、決まりがあります。たとえば画像はPNGで150KB以内、スマホ向けのバナーは文字を全体の30%以下にすること、クリック先は動画と同じ1つのURLにすることなどです。付ける場合は、入稿規定で確かめましょう。

07CMを作る前に決めておきたいこと

審査と入稿規定を知っておくと、CMを作る前に決めておくべきことが見えてきます。

「この表現は大丈夫?」と迷ったら、企画の段階で代理店に確かめるのが近道です。費用の考え方は「TVer広告の費用は、どう決まるのか」、地域の決め方は「TVer広告は地域指定できる?」で紹介しています。

08よくあるご質問

Q審査に落ちたら、どうなりますか?
A

審査は放送局ごとに行われ、通った局から順に配信されます。業態考査・素材考査のどちらかに通らなかった局では、その局の番組に広告は流れません。表現の修正を求められた場合は、直した素材を用意して、あらためて審査を受けます。企画の段階から表現を確認しておくと、修正の手間を減らせます。

QテレビCMで流した素材を、そのまま使えますか?
A

秒数や内容がそのままでも、TVerの入稿規定(ファイルの形式・容量・音量など)に合わせた書き出しが必要です。また、審査はTVer広告として、あらためて行われます。

Q申し込んでから、どれくらいで配信できますか?
A

TVer社の公式情報では、業態考査・素材考査がそれぞれ約3営業日とされています(代理店がTVer社と新しく契約する場合は、さらに契約と管理画面の発行で8〜13営業日ほど)。これにCMの制作や修正の期間が加わるため、配信したい日の1か月半〜2か月ほど前のご相談をおすすめしています。

Q自社で作った動画でも審査に出せますか?
A

はい。入稿規定と放送局の基準を満たしていれば出せます。音量の調整や表現の確認など、入稿前のチェックだけのご相談も承ります。

まとめ

TVer広告には、会社についての「業態考査」と、CMの内容についての「素材考査」があり、各放送局が審査します。最大級の表現や権利など、テレビCMと同じ注意が必要です。入稿規定に合わせた素材を用意し、配信したい日の1か月半〜2か月前には準備を始めましょう。

参考:TVer広告 公式コラム:出稿までの流れ(2026年7月)/TVer広告 広告入稿規定/TVer広告 よくあるご質問/日本民間放送連盟 放送基準/消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月)/酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準(2026年7月最終改正・国税庁掲載)/厚生労働省 医療広告規制

この記事を書いた人 木本 一心ホマレグラフ株式会社 代表取締役 / Ad Arch グループ 山梨県拠点代表

山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。

この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。

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