季節の販促読了 約11分

クリスマスの販促。
山梨のお店・会社が11月から準備すること

執筆:木本 一心(ホマレグラフ株式会社 代表)出典 10件を記事の最後に掲載
クラフト紙の贈り物に紅白のひもを結んでいる手元

クリスマスの企画を、毎年12月に入ってから慌てて決めていませんか。予約の締切や告知が遅れると、せっかく用意した商品やプランも、お客様に知られないまま当日を迎えてしまいます。この記事では、国の統計で見たクリスマスの買い物の動き、11月から年末までの時期ごとのやること、業種ごとの準備、予約と告知で決めておくことを整理します。何から始めればいいのでしょうか。

01クリスマスの買い物は、どの日に集まる?

準備の時期を決める前に、お客様がいつお金を使うのかを見ておきましょう。総務省の家計調査には、品目ごとに「その月の何日に、いくら使ったか」をまとめた表があります。ここでは、2025年の結果(二人以上の世帯の、1世帯あたりの平均)を見ていきます。

まずはケーキです。2025年12月のケーキへの支出は1,386円で、1年の月平均(642円)の約2.2倍でした。12月の中でも24日は355円と飛び抜けていて、この1日だけで12月の約4分の1を占めています。

一方で、プレゼントや外食は、24日と25日に集まるわけではありません。2025年12月で見ると、おもちゃ(玩具)への支出がいちばん多かったのは20日(土)、外食は27日(土)でした。平日だった24日(水)と25日(木)の外食は、前後の土曜日の半分から6割ほどにとどまります。

2026年のクリスマスは、24日が木曜、25日が金曜です。その前の土日は19日と20日になります。ケーキのように当日に受け取るものと、前の週末に買われるものとで、告知を出す時期を分けて考えましょう。

なお、家計調査は世帯の平均の数字で、お店の売上そのものではありません。去年の12月の売上や予約の記録が残っていれば、統計と並べて見てみましょう。自社の数字が、いちばんの手がかりになります。

0211月から年末まで、いつ何をする?

クリスマスの販促で大切なのは、当日よりも、予約や買い物の予定が決まるまでの期間です。12月から逆算すると、決めることがいちばん多いのは11月になります。時期ごとのやることを表にまとめました。

時期お店・会社がやること発信・告知
11月商品・コース・プランと数量、予約の締切、受け取り方を決める。試作品で写真や動画を撮る予約の受付開始を知らせる(LINE、Instagram、店頭、チラシ)。広告を出すなら素材を仕上げ、審査に出す
12月前半(1〜15日ごろ)予約の数を毎日確かめ、材料と人の手配を固める。年末年始の営業日を決める予約の状況を、事実のとおりに伝える。年末年始の営業日も早めに知らせる
直前(16〜23日ごろ)締切のあと、受け取りの時間を割り振る。当日の人の配置と動線を決める予約した人に、受け取りの日時を確認する。前の週末(2026年は19日・20日)に向けて発信する
当日(24日・25日)受け取りと提供に集中する。お店の様子を写真や短い動画で残す当日分の有無や営業時間の変更を知らせる。Googleマップの営業時間が合っているかも確かめる
12月26日以降予約の数や売り切れた時間などを記録する。年末年始の準備に移るお礼と年末年始の営業案内を出し、次の来店につながるお知らせを添える

写真や動画は告知の材料になるので、11月のうちに撮っておきます。新しいケーキやコースなら、試作品を作る日に撮影まで済ませると、受付の開始と同時に写真付きで知らせられます。

広告を出す場合は、審査の日数も見込んでおきます。たとえばTVer広告には広告主と素材の審査があります(くわしくは「TVer広告の審査とは?」)。12月前半に配信したいなら、素材は11月中に仕上げておくと安心です。

03予約の受付では、何を決めておく?

予約を受けるなら、告知を出す前に条件を決め、どの媒体でも同じ内容で伝えます。チラシとSNSで書いてあることが違うと、問い合わせや行き違いのもとになります。

締切は、材料の発注や仕込みを始める日から逆算して決めます。「◯日まで、または予定の数に達したら終了」のように、日付と数の両方で締め切ると、作りすぎも、受けすぎも防ぎやすくなります。

キャンセルの扱いも、予約を受けるときにあわせて伝えます。キャンセル料の金額には、法律の決まりもあります。消費者契約法の第9条第1項第1号は、お客様とのキャンセル料の定めのうち、同じ種類の契約で事業者に生じる「平均的な損害の額」を超える部分を無効と定めています。金額の決め方に迷うときは、弁護士などの専門家に相談してください。

予約は、電話だけでなく、申し込みフォームやLINEのチャットでも受けられます。ただし窓口を増やすほど、二重の予約や聞き漏れが起きやすくなります。受けた予約は1つの表にまとめ、毎日確かめる人を決めておきましょう。

04業種ごとに、何を準備する?

赤ワインのグラスと料理が並ぶクリスマスの食卓

同じクリスマスでも、業種によって準備の中身は変わります。山梨によくある業種ごとに、11月に決めておきたいことと、告知で伝えることの例をまとめました。

業種11月に決めておくこと告知で伝えること
飲食店クリスマスのコースや持ち帰りの品、席の数、予約の締切予約できる日と時間帯、コースの内容と料金
ケーキ・菓子店ケーキの種類と数、受け取りの日と時間帯、予約なしで買える焼き菓子など締切、受け取り方、当日分があるかどうか
小売店贈り物向けの品ぞろえ、包装や配送の受付、前の週末の人手予算別のおすすめ、包装・配送を受け付ける期限
美容室・サロン12月の予約枠、年末の営業時間と最終受付日予約を取りやすい日、年内の最終受付日
ホテル・旅館12月の宿泊プランと、年末年始プランへの切り替え料金と食事の内容、予約の方法
ワイナリー・酒販店贈答用のセット、発送の受付期限年内に届く発送の期限、20歳未満の飲酒防止の表示

家計調査(2025年)を見ると、理美容サービス(カット・パーマなど)への支出がいちばん多い月は12月で、4,041円でした(月平均は約3,500円)。美容室やサロンは、年末の予約枠を11月のうちに案内しておくと、お客様も予定を立てやすくなります。

一方、宿泊料は8月がいちばん多く、12月は月平均をやや下回りました。ホテルや旅館は、クリスマスだけを切り離して考えるより、年末年始の予約につなげる流れの中で、12月のプランを考えるとよいでしょう。

山梨県の資料によると、山梨には約100社のワイナリーが集まり、日本ワインの約3割を生産しています。お酒を通信販売するときには、国税庁の表示基準に沿った表示が必要です。広告やカタログ(インターネットを含む)には、20歳未満の飲酒は法律で禁止されている旨か、20歳未満の人には販売しない旨を書きます。申し込みの画面や納品書にも、表示が必要です。

05告知は、どこで、どの順番で出す?

告知は、すでにお店を知っている人から順に届けます。まず常連さんやLINEの友だちに案内し、そのあとSNSや店頭、広告で、まだお店を知らない人へ広げていく順番です。

  • LINE公式アカウント:受付開始の日と締切の前など、配信する日をあらかじめ決めておく。料金プランと配信の数は「LINE公式アカウントの使い方」で。
  • Instagram:フィードに商品やコースの写真を載せ、ストーリーズで残りの数や当日の様子を伝える。使い方は「インスタのストーリーズとハイライトの使い方」で。
  • Googleマップ:24日・25日や年末年始に営業時間を変えるなら、「特別営業時間」で日付ごとに設定する。
  • 店頭・チラシ:来店したお客様に、締切と受け取り方を書いた紙を渡す。
  • 広告:まだお店を知らない県内の人にも届けたいときは、地域を絞って出せる広告を使う。

Googleマップの特別営業時間は、Googleビジネスプロフィールの営業時間の画面から、日付を追加して設定します。Googleのヘルプでは、7日以上続けて休むときは臨時休業として設定するよう案内しています(2026年11月時点)。

TVer広告は、配信する地域を指定できます。県内の人に向けて、12月前半に予約の告知を出すといった使い方が考えられます。地域の指定のしかたは「TVer広告は地域指定できる?」で紹介しています。

06割引やプレゼント企画で、気をつけることは?

クリスマスは、割引やプレゼント企画、SNSのキャンペーンを考えやすい時期です。ただし、表示や景品には法律の決まりがあります。企画を出す前に、次の点を確かめておきましょう。

「残りわずか」「本日限り」といった言葉も、事実と違えば、お客様に誤解を与える表示になりかねません。予約の数や期限は、本当の状況だけを伝えるようにしましょう。

表示や景品の決まりは、改正されることもあります。判断に迷うときは、出す前に消費者庁の窓口や専門家に確かめると安心です。

0712月26日からは、年末年始にどうつなぐ?

雪の積もった町並みと五重塔の奥にそびえる冬の富士山

クリスマスが終わると、すぐに年末年始です。家計調査(2025年12月)では、切り花への支出が26日から増え始め、30日にいちばん多くなりました。正月に向けた買い物は、クリスマスの翌日から動き出しています。

  • お礼と営業案内:予約や来店へのお礼と、年末年始の営業日の案内を1回の発信にまとめる。
  • 次の来店のきっかけ:1月の来店につながるお知らせや、LINE公式アカウントへの登録を案内する。
  • 取引先へのあいさつ:会社なら、年末のあいさつや年賀状の準備に切り替える。
  • 記録を残す:予約の数、締切の日、売り切れた時間、告知への反応を書き留める。

年賀状を出すなら、日程に注意しましょう。日本郵便の発表では、2027年用の年賀状の引受の開始は12月20日(日)で、それまでの12月15日より遅くなりました。元日に届けるための差し出しの目安も、12月25日から12月27日(日)に変わっています。翌年以降の日程は、日本郵便の発表で確かめてください。

年明けの1〜2月は、お客様の足が遠のきやすい時期です。閑散期の考え方は「飲食店の閑散期はいつ?」で、1年を通した季節の販促の組み立て方は「山梨の販促カレンダー」で紹介しています。

08よくあるご質問

Qクリスマスの準備は、いつから始めればいいですか?
A

予約を受ける商品やプランがあるなら、11月のうちに内容・数・締切を決め、受付の開始を知らせるのが目安です。広告を出す場合は、審査の日数も見込んで、さらに早めに素材を用意しましょう。

Q予約の締切は、何日前にすればいいですか?
A

決まった日数はありません。材料の発注や仕込みを始める日から逆算して決めます。「◯日まで、または予定の数に達したら終了」のように、日付と数の両方で決めておくと、作りすぎを防ぎやすくなります。

Qクリスマスに関係の薄い業種でも、何かしたほうがいいですか?
A

無理に企画を作る必要はありません。年末年始の営業日の案内や、1年のお礼を伝えるだけでも、お客様との接点になります。Googleマップの営業時間を合わせておくことも大切です。

Qクリスマスや年末年始の告知の組み立てから相談できますか?
A

はい。届けたい相手と時期をお聞きして、告知の写真や動画の撮影、SNSでの発信、チラシのデザイン、TVer広告などを組み合わせた計画を一緒に考えます。媒体の選び方からご相談いただけます。ご相談・お見積もりは無料です。

まとめ

家計調査では、ケーキの支出は24日に集まっていました。一方、おもちゃや外食は、24日・25日よりも前後の土曜日のほうが多くなっていました。予約を受けるなら、11月のうちに内容・数・締切・受け取り方を決め、常連さんから順に知らせましょう。割引やプレゼント企画は、表示と景品の決まりを確かめてから出します。26日からは、年末年始の営業案内と、次の来店のきっかけづくりに移ります。記録を残せば、翌年の準備はもっと早く始められます。

参考:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」第6-16表 1世帯当たり1か月間の日別支出 2025年12月(二人以上の世帯)/同 2024年12月/総務省統計局「家計調査」(2025年1〜12月の同じ表から月ごとの計を集計)/消費者契約法 第9条(e-Gov法令検索)/国税庁「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準を定める件」/消費者庁「二重価格表示」/山梨県「なるほど山梨 日本を代表する山梨のワイン(前編)」(2026年5月)/Google ビジネス プロフィール ヘルプ「特別営業時間を設定する方法」/TVer広告「TVer広告を配信するには?申込から配信までの流れを解説」(2026年7月13日)/日本郵便「2027(令和9)年用年賀はがき等の発行概要」(2026年8月31日)

この記事を書いた人 木本 一心ホマレグラフ株式会社 代表取締役 / Ad Arch グループ 山梨県拠点代表

山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。

この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。

ほかの記事

コラムの一覧へ →

お問い合わせ