広告の種類とメリット・デメリット
地方の中小企業向け11媒体を比較

チラシ、看板、TVer、SNS広告。広告にはたくさんの種類があり、「うちはどれを選べばいいのか」と迷うこともあるのではないでしょうか。この記事では、地方の中小企業が選びやすい11の媒体を、費用・届く相手・効果の測り方・動画が使えるかで1枚の表に並べ、それぞれのメリット・デメリットと選び方をまとめました。
01広告の種類と、いまの全国の流れ
広告の媒体(広告を載せる場所のこと)は、大きく次の4つに分けると整理しやすくなります。
- 紙と道の広告:チラシ、地域情報誌(フリーペーパー)、看板。
- 画面と音の広告:TVer、映画館、ラジオ。
- 場所で出会う広告:ゴルフカート、タクシー、デジタルサイネージ(お店や駅などに置かれた画面の広告)。
- ネットの広告:Googleマップ、SNS広告。
電通の「2025年 日本の広告費」によると、インターネット広告費が広告費全体の50.2%を占め、初めて半分を超えました。媒体ごとに前年と比べると、伸びているものと減っているものがはっきり分かれています。
大きく伸びたのは、TVerのような「テレビ局の番組と一緒に流れる動画広告」(前年比123.3%)です。一方で、折込チラシは、新聞を取る家が減ったことや配る費用の値上がりで、前年を下回りました。ただし、これは全国の数字です。地域によっては、紙の広告がまだ届きやすいこともあります。
0211媒体の比較表
11の媒体を、4つの軸で並べました。費用は、公表されている料金がないものは「何で決まるか」を書いています。具体的な金額は、媒体社や代理店の見積もりで確かめてください。表は横にスクロールできます。
| 媒体 | 費用のかかり方 | 届く相手と地域 | 効果の測り方 | 動画 |
|---|---|---|---|---|
| チラシ(折込・ポスティング) | 印刷費と配る費用。部数で決まる | 折込は新聞を読む人(50代以上が中心)。ポスティングは配った家/新聞販売店の区域、配る地区 | クーポン、QRコード、専用の電話番号 | ×(QRコードで動画へ) |
| 地域情報誌 | 枠の大きさと号数で決まる | 配布地域の読者/配布エリア | クーポン、QRコード | × |
| 看板(道路沿い) | 看板の制作費と、場所の使用料 | その道を車で通る人/置く場所 | 設置前後の比較、聞き取り | ×(デジタル看板なら○) |
| TVer | ホマレグラフでは3万円から(制作費は別途) | 30〜50代を中心に幅広い/都道府県・市町村 | 表示回数やクリック。年齢・性別・都道府県別のレポート | ◎(6〜60秒) |
| 映画館(シネアド) | 映画館・期間・秒数で決まる | 映画を見に来た人。作品で年代を選べる/映画館を選ぶ | 上映後の実績報告、聞き取り | ◎(大画面) |
| ラジオ | 局・時間帯・回数で決まる | 車や仕事中に「ながら」で聴く人/放送エリア | ラジオだけで伝える合言葉、聞き取り | ×(音声のみ) |
| ゴルフカート | ゴルフ場・台数・期間で決まる | ゴルフ場に来た人/ゴルフ場を選べるメニューもある(媒体による・山梨が対象かは要確認) | 専用クーポン、聞き取り | ○(モニター付きのカート) |
| タクシー | 台数・期間で決まる | タクシーに乗る人/走る地域(県内で出せるかは要確認) | QRコード、聞き取り | ○(後部座席の画面) |
| デジタルサイネージ | 置き場所・期間・回数で決まる | その場所を通る人、待つ人/置き場所を選ぶ | 前後の比較、聞き取り | ◎ |
| Googleマップ | 無料で登録できる | 近くのお店や会社を探している人/お店の場所 | 閲覧数、ルート検索、電話の回数 | ○(写真・動画) |
| SNS広告 | 予算を自分で決める(最低額は条件で変わる) | 年代や興味で選べる/県・市・半径 | 表示回数、クリック、再生数 | ◎(縦型) |
表を見ると、地域を細かく絞れて、数字で結果が分かるのはネットの広告とTVerです。一方、映画館やゴルフ場のような「場所」の広告は、見る人を選びやすい代わりに、効果は聞き取りなどで確かめることになります。
どれか1つが優れているのではなく、目的に合わせて組み合わせるのが基本です。選ぶときは、次の順で考えると迷いにくくなります。
業種別に見ると
同じ予算でも、業種によって向いている媒体の組み合わせは変わります。山梨の業種で、考え方の例をまとめました。
03紙と道の広告:チラシ・地域情報誌・看板
まず、山梨の特徴を数字で見てみましょう。
チラシ:山梨は1世帯あたりの新聞が全国より多い
山梨は1世帯あたりの新聞の部数が全国より多い一方で、新聞を読む人は50代以上が中心です。折込チラシは50代以上に届けたいときに向いていて、若い世代にはほとんど届かないと考えておきましょう。
年代別の数字や反響率の計算は「チラシの反響率の平均は?」で詳しく紹介しています。若い家族に届けたいときは、新聞を取っていない家にも配れるポスティングや、SNSと組み合わせます。
- メリット:手に取って見てもらえる。地図やクーポンを載せやすい。配る地区を選べる。
- デメリット:印刷と配る費用が部数ごとにかかる。誰が見たかは分からない。
地域情報誌:地元の情報を探している人に
地域の情報誌やフリーペーパーは、地元のお店やイベントを探している人が読みます。全国では広告費が大きく減り、休刊や廃刊も出ています。出す前に、いまも発行されているか、何部をどこで配っているかを確かめましょう。
看板:車社会の山梨で、毎日見てもらう
上の数字のとおり、山梨は1世帯あたりの乗用車が全国平均を大きく上回る車社会です。国道20号や52号、通勤の道沿いの看板は、同じ道を通る人に繰り返し見てもらえます。
- メリット:一度出せば長く出し続けられる。お店の近くなら道案内にもなる。
- デメリット:車からは数秒しか見えないので、書ける量が少ない。効果を数字で測りにくい。
- ルール:山梨県では、屋外広告物条例により、看板の場所や大きさによっては許可が必要です。許可の申請は、出す日の10日前までに行います。窓口は県の建設事務所か、事務を行っている市町村です。
04画面と音の広告:TVer・映画館・ラジオ

TVer:テレビ番組の合間に、地域を絞って流す
TVerは、テレビ局の番組をネットで見られるサービスです。番組の前や途中に、テレビCMのような動画の広告を流せます。総務省の調査(令和7年度)では、TVerを使っている人は、30代で46.4%、40代で45.6%、50代で42.3%でした。
配信する地域は、市町村の単位まで選べます。地域の決め方は「TVer広告は地域指定できる?」で詳しく紹介しています。配信後のレポートでは、年齢・性別・都道府県ごとの結果が分かります。広告の長さは6秒から60秒の間で決められます。
- メリット:テレビCMと同じ形の動画を、地域を絞って、少ない予算から出せる。
- デメリット:放送局や番組は選べない。市町村ごとの結果はレポートでは分からない。
映画館:大きな画面で、記憶に残る1本を
映画の本編の前に流れる広告です。作品を選べば、家族向け、若い人向けなど、見る人の年代も選べます。山梨の映画館の数や出し方は「シネアドとは?」で紹介しています。
ラジオ:車で移動する人の耳に
ラジオは、車の中や仕事をしながら「ながら」で聴ける媒体です。平日の1日にラジオを聴いた人は6.0%(総務省、令和7年度)と多くはありませんが、毎日同じ番組を聴く人に繰り返し届けられます。映像は使えないので、動画の音声を生かすか、ラジオ用に台本を作ります。
05場所で出会う広告:ゴルフカート・タクシー・サイネージ
ゴルフカート:東京に近い富士・東部にゴルフ場が集まる
ゴルフ場では、カートに付いたモニターや、コースの看板などに広告を出せる場合があります。山梨県内の40のゴルフ場のうち、21か所が東京に近い富士・東部にあります(山梨県のゴルフ場利用税の一覧、2026年4月1日現在)。そのため、首都圏から来るゴルファーに届けやすいと考えられます。
地域ごとの分布や動画の作り方は「ゴルフ場の広告とは?」で紹介しています。
タクシー:後部座席の画面で
後部座席の画面に動画を流す広告です。画面が目の前にあるため、じっくり見てもらいやすい媒体です。山梨県内で出せる車両があるかは、媒体社に確かめましょう。
デジタルサイネージ:その場所にいる人に
駅、商業施設、病院の待合室などに置かれた画面の広告です。「この場所に来る人」が決まっているので、場所を選べば相手を選べます。
この3つは、見る人を場所で選べる代わりに、どれだけの人に見られたかは媒体社の報告や聞き取りで確かめます。
06ネットの広告:Googleマップ・SNS広告
Googleマップ:まずは無料で整える
Googleビジネスプロフィールは、Googleマップや検索に、お店や会社の情報を無料で載せられるサービスです。管理画面では、閲覧数やルートを調べた人の数、電話ボタンが押された回数などが分かります。
お金をかける前に、まず整えておきたい媒体です。整え方は「地域で知名度を上げる方法」で、設定のコツは「Googleマップが勝手に英語に?」で紹介しています。
SNS広告:年代や地域を細かく選ぶ
InstagramやFacebookの広告は、予算を自分で決めて出せます(最低限の予算は、国や広告の目的などで変わります)。配信する場所は、国・地域・市のほか、地点からの半径でも選べます。
Instagramは若い世代に届けやすい媒体で、縦型の動画がよく使われます。年代別の利用率は「企業のSNSの使い分け」で紹介しています。
- メリット:少額から始められ、地域と年代を絞れて、結果がすぐ数字で分かる。
- デメリット:画面をすぐに流されやすく、最初の数秒で興味を持ってもらう工夫が必要。
071本の動画を、複数の媒体で使い回す
比較表を見ると、11のうち7つの媒体で動画が使えます。1本を複数の媒体で使えば、1媒体あたりの制作費は下がります。使い回しやすい作り方をまとめました。
- 最初に、使う媒体を決めておく:横長(16:9)はTVer・映画館・サイネージ向き、縦長(9:16)はSNS向きです。撮影のときに両方を意識して撮れば、あとから両方の形に編集できます。
- 長さを分けて作る:30秒の本編を作り、15秒や6秒の短い版も用意します。TVerは6〜60秒で長さを決められます。
- 音がなくても伝わるようにする:サイネージやSNSは音を出さずに見られる場面もあるので、字幕を入れます。逆にラジオ用には、音声だけで伝わる版を作ります。
- 使う範囲を契約で決めておく:出演者の肖像権や、音楽・写真の著作権には、使ってよい媒体や期間が決まっていることがあります。別の媒体に使う前に、契約の範囲を確かめましょう。
TVerで流した動画の縦型版をInstagramで流し、Googleマップにも載せる。チラシのQRコードから、その動画に案内する。こうすれば、紙とネットと画面がつながります。動画を少ない予算で生かす方法は「映像広告を低予算で始めるには?」でも紹介しています。
08よくあるご質問
Q予算が少ない場合、どの媒体から始めればいいですか?
まずは無料のGoogleビジネスプロフィールとSNSを整えるのがおすすめです。そのうえで、届けたい相手が50代以上ならチラシ、地域の幅広い年代に動画で届けたいならTVer、若い世代ならSNS広告、というように相手で選びます。
Qいくつの媒体を組み合わせればいいですか?
最初は2〜3つで十分です。たくさん出すと、どれが効いたのか分からなくなります。媒体ごとにクーポンやQRコードを分けるなど、効果を見分けられる形にしてから増やしましょう。
Qチラシと動画の広告は、どちらがいいですか?
届けたい相手によります。新聞を読む人は50代以上に多く、ネットの動画は若い世代ほどよく見られています。チラシにQRコードを付けて動画に案内するなど、両方をつなげる方法もあります。
Qどの媒体がいいか、相談だけでもできますか?
はい。届けたい相手の年代や商圏、ご予算をお聞きして、媒体の選び方からご提案します。TVer広告や動画の制作、SNSの運用は、ホマレグラフでそのままお手伝いできます。ご相談・お見積もりは無料です。
広告の媒体は、費用、届く相手、効果の測り方、動画が使えるかで、向き不向きが分かれます。山梨は1世帯あたりの新聞や車が全国より多く、チラシや看板もまだ選択肢になりますが、若い世代にはネットの広告が欠かせません。まず無料の媒体を整え、相手に合わせて2〜3つを組み合わせる。動画は1本を使い回す前提で作ると、制作費のムダを減らせます。
参考:電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月)/日本新聞協会 都道府県別の発行部数と普及度(2025年10月)/自動車検査登録情報協会 自家用乗用車の世帯当たり普及台数(2026年3月末)/日本映画製作者連盟 全国映画館スクリーン数(2025年12月末)/山梨県 ゴルフ場利用税の特別徴収義務者一覧(令和8年4月1日現在)/総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」/TVer広告 よくある質問(TVer社)/TVer広告 公式コラム:申込から配信までの流れ/Google ビジネスプロフィール/Google ビジネスプロフィール ヘルプ(パフォーマンス)/Meta ビジネスヘルプセンター(最低予算)/Meta ビジネスヘルプセンター(地域の選び方)/山梨県 広告物等表示(設置)許可申請
山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。
この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。