SNS運用読了 約10分

SNS運用の進め方。
中小企業が決める目的・体制・1か月の作業量

執筆:木本 一心(ホマレグラフ株式会社 代表)出典 3件を記事の最後に掲載
資料を囲んで笑顔で打ち合わせる社員(ホマレグラフ制作の映像より)

「SNSをやろうと決めたけれど、誰が、どのくらいの時間をかけて、何をすればいいのか」始めたものの、手が止まってしまうことはありませんか。この記事では、目的の決め方から、媒体の選び方、体制と1か月の作業量、投稿の作り方、見直し方までを、1本の流れでたどります。小さな会社のSNSは、どう回せば続くのでしょうか。

01SNS運用は、どんな流れで進める?

SNSの運用は、投稿を出すことだけではありません。準備から見直しまで、次の5つの工程を毎月くり返す仕事です。

避けたいのは、2つめと3つめを決めないまま、4つめの投稿から始めてしまう形です。先に「誰が・いつ・何時間やるか」を決めておくと、忙しい月でも止まりにくくなります。

止まってしまうときは、たとえば次のような形です。思い当たるものがあれば、カッコの中の工程から見直しましょう。

  • 開設してすぐ、何を出せばいいか分からなくなった(目的と型が決まっていない)
  • 担当者が忙しい月に、更新が止まった(時間が業務に入っていない)
  • 続けているのに、来店や応募が増えた実感がない(見直しをしていない)

この記事は、SNS運用の全体の地図です。始める前の準備の順番は「中小企業のSNS活用方法」にまとめたので、ここでは回し始めてからの時間と分担を中心に見ていきます。

02目的は、どう決める?

目的は、1つのアカウントにつき1つに絞ります。「来店を増やしたい」「採用の応募を増やしたい」「会社を知ってもらいたい」全部を一度に狙うと、投稿の中身がぼやけてしまいます。

決めるときは、次の1文を埋めてみてください。

  • 「(誰)に、(何)を見てもらい、(どんな行動)をしてほしい」
  • 例:甲府市と甲斐市の30〜40代の家族に、季節のケーキを見てもらい、予約してほしい
  • 例:県内の高校生と保護者に、現場の働き方を見てもらい、職場見学に申し込んでほしい

目的が決まったら、成果を測る数字も1つだけ決めます。来店なら「SNSを見て来た人の数」、採用なら「SNSからの問い合わせの数」です。フォロワー数は途中の目安で、ゴールではありません。

この1文があると、投稿のネタも、見る数字も決まります。目的ごとの使い方と見るべき数字は「中小企業のSNS活用方法」で紹介しています。

03媒体は、いくつ使えばいい?

最初は1〜2つで十分です。見つけてもらう媒体と、つながり続ける媒体を1つずつ選ぶと、役割がはっきりします。

役割主な媒体詳しい記事
知らない人に見つけてもらうInstagram、TikTok、YouTubeTikTokの始め方/YouTubeチャンネル
来てくれた人とつながるLINE公式アカウントLINE公式アカウントの使い方
来る前に確かめてもらうInstagramのプロフィールプロフィールの整え方

つながり続ける媒体の代表が、LINE公式アカウントです。LINEヤフー社の料金表(2026年10月時点)では、月額0円のプランで月200通まで送れるので、友だちが少ないうちは費用をかけずに始められます。

どの年代がどの媒体を使っているかは、総務省の調査をもとに「企業のSNSの使い分け」でまとめています。媒体を増やすのは、1つめが3か月続いてからにしましょう。

04誰が、月に何時間やる?

小さな会社の体制は、おおむね次の3つの型に分かれます。

型向いている会社気をつけること
1人で兼任社員数名の店や会社担当が休むと止まる
社内で分担撮る人・書く人を分けられる確認の人を1人に決める
外部と分担撮影や編集に手が回らないアカウントは自社で持つ

作業量の目安を、1つの媒体に週2回投稿する場合で考えてみます。下の図は、写真と短い動画を半々で出すときの、1か月あたりの時間の例です。

合わせると、1か月でおよそ20時間、週に5時間ほどです。慣れれば短くなりますが、最初の3か月はこのくらいを見込んでおくと安心です。

週5時間を、たとえば次のように割り振ると、1週間の流れが決まります。

  • 月曜:その週に出す2本の文章を書き、予約投稿を入れる(1.5時間)
  • 水曜・金曜:投稿のあと、コメントやメッセージに返信する(各30分)
  • 毎日:ストーリーズで今日のお知らせを1つ出す(各10分)
  • 月に1回:半日のまとめ撮りと、30分の振り返り

InstagramとFacebookは、Meta Business Suiteで投稿を予約できます。決まった曜日にまとめて予約すると、毎日スマホを開く手間が減ります。

担当者の本来の仕事に、この時間をそのまま上乗せすると、続けるのは難しくなります。「SNSの時間」を業務の予定に入れることが、体制づくりの第一歩です。

業種別に見ると

同じ「週に5時間」でも、業種によって時間の使い方や、忙しくなる時期は変わります。考え方の例をまとめました。

歯科・クリニックたとえば歯科医院なら、治療の効果をうたう言い回しには決まりがあるため、投稿前に確認する人を院長などに1人決めておくと安心です。撮影は診療のない時間にまとめ、院内の雰囲気やスタッフの紹介など、来る前の不安をやわらげる投稿を中心にすると続けやすくなります。
学習塾たとえば学習塾なら、春の新学期や夏期講習の申し込みの前が、いちばん見てもらいたい時期です。その1〜2か月前から投稿の回数を増やし、ふだんの月は週1回に抑えるなど、季節で作業量に強弱をつけると、講師の負担を増やさずに続けられます。
ワイナリーたとえばワイナリーなら、ぶどうの収穫と仕込みの時期は、撮りたい場面が多い一方で、手が回らなくなります。忙しくなる前に、畑や醸造の様子をまとめ撮りしておき、繁忙期は撮りためた素材を出すだけにしておくと、いちばん伝えたい季節に投稿が止まりません。

05投稿は、どう作れば続く?

続けるコツは、毎回ゼロから考えないことです。次の3つを決めておくと、作る時間を減らせます。

  • まとめて撮る日:月に1回、半日で1か月分の写真と動画を撮る
  • 投稿の型:「商品紹介」「作る様子」「スタッフ」「お客様の声」など、くり返せる型を4〜5つ持つ
  • 月の予定表:季節の行事やセールを、先に1か月分並べておく

山梨なら、桃やぶどうの季節、紅葉、年末年始など、季節の話題が毎月あります。季節の予定表を先に作っておくと、ネタを探す手間が減ります。ネタの探し方は「SNSの投稿ネタの考え方」で紹介しています。

投稿の形ごとの作り方は、次の記事で詳しく書いています。

  • リールの作り方:知らない人に届けたい短い動画
  • フィードとカルーセル:保存してもらいたい情報
  • ストーリーズ:今日のお知らせや、フォロワーとのやりとり
  • YouTubeの動画企画:あとから探される、長めの動画

文章は、1行目に「誰に向けた、何の話か」を書きます。地名や商品名を入れておくと、検索で見つけてもらえる手がかりにもなります。

撮影の日にスマホを縦と横の両方で回しておくと、1回の撮影で複数の媒体に使えます。

06いつ、何を見て見直す?

見直しは月に1回、30分〜1時間で十分です。毎日数字を見て一喜一憂するより、月に1回、同じ数字を同じ順番で見るほうが、変化に気づけます。

振り返りでは、数字と一緒に次の3つも書き残しておきます。1年分たまると、季節ごとに何が届いたかが分かる、自社だけの資料になります。

  • いちばん反応がよかった投稿と、その理由の見立て
  • お客様や応募者から聞いた「SNSを見て」の声
  • 来月、1つだけ変えること

InstagramやTikTokには、投稿ごとの数字を見られる画面があります(Instagramは、公開アカウントならアカウント全体の数字も見られます)。見る数字と、その読み方は「Instagramのインサイトの見方」で紹介しています。

3か月たったら、目的に近づいているかを確かめます。数字が動かないときは、投稿の型、出す時間、媒体の順に1つずつ変えてみましょう。一度にすべてを変えると、何が効いたのか分からなくなります。

投稿の中身は合っているのに、届く人の数そのものが足りないこともあります。そのときは、市町村を絞った少額の広告で、反応のよかった投稿を後押しする方法もあります。どのくらいの人に届くかは「インスタ広告を市町村に絞って少額で出すと」で紹介しています。

07外に頼むなら、どこを任せる?

全部を自社でやる必要はありません。返信のように社内でしかできないことは残し、時間のかかる撮影や編集を外に任せる分け方が基本です。役割分担の考え方は「中小企業のSNS活用方法」でも紹介しています。

頼むときは、次の3つを最初に渡しておくと、やりとりが少なくてすみます。

  • 02で決めた「誰に、何を見てもらい、どうしてほしいか」の1文
  • 季節の予定表と、写してよい場所・写してはいけない場所
  • 言ってはいけないこと(値引きの約束、効き目の言い切りなど)

外部に頼む場合も、アカウントのログイン情報と権限は自社で持つようにしましょう。担当や依頼先が替わっても、積み上げた投稿とフォロワーを失わずにすみます。社員が写る動画を出すときは、先に「社員を動画に出すときの同意書」も確認しておくと安心です。

08よくあるご質問

Q投稿は毎日したほうがいいですか?
A

毎日でなくてかまいません。週1〜2回でも、同じペースで続けることのほうが大切です。無理な回数を決めて止まるより、続けられる回数から始めましょう。

Q担当者が1人しかいません。それでも回せますか?
A

媒体を1つに絞り、月1回のまとめ撮りと投稿の型を決めれば回せます。担当が休むときのために、ログイン情報と投稿の手順だけは、ほかの人にも分かるようにしておきましょう。

Qどのくらい続ければ、効果が分かりますか?
A

まずは3か月を1つの区切りにして、目的に近い数字が動いているかを見ます。来店や応募の数は、お客様に「何を見て来たか」を聞いて数えるのがいちばん確かです。

Q撮影と編集だけを頼むことはできますか?
A

はい。ホマレグラフでは、月1回のまとめ撮りから、縦型・横型の動画の編集、投稿の予定づくりまで、必要なところだけお手伝いできます。ご相談・お見積もりは無料です。

まとめ

SNS運用は、目的、媒体、体制、投稿、見直しの5つの工程を毎月くり返す仕事です。目的と媒体を絞り、週2回の投稿なら月20時間ほどを業務に入れておく。まとめ撮りと型で作る時間を減らし、月1回同じ数字を見て、3か月ごとに1つずつ変える。この流れができれば、小さな会社でもSNSは続きます。

参考:作業時間は、ホマレグラフが一般的な制作工程から示した目安で、業種や投稿の形によって変わります。/Metaビジネスヘルプセンター「Meta Business Suiteでプランナーを使う際のベストプラクティス」/LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」/Instagramヘルプセンター「Instagramのインサイトについて」

この記事を書いた人 木本 一心ホマレグラフ株式会社 代表取締役 / Ad Arch グループ 山梨県拠点代表

山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。

この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。

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