SNS運用の進め方。
中小企業が決める目的・体制・1か月の作業量

「SNSをやろうと決めたけれど、誰が、どのくらいの時間をかけて、何をすればいいのか」始めたものの、手が止まってしまうことはありませんか。この記事では、目的の決め方から、媒体の選び方、体制と1か月の作業量、投稿の作り方、見直し方までを、1本の流れでたどります。小さな会社のSNSは、どう回せば続くのでしょうか。
01SNS運用は、どんな流れで進める?
SNSの運用は、投稿を出すことだけではありません。準備から見直しまで、次の5つの工程を毎月くり返す仕事です。
避けたいのは、2つめと3つめを決めないまま、4つめの投稿から始めてしまう形です。先に「誰が・いつ・何時間やるか」を決めておくと、忙しい月でも止まりにくくなります。
止まってしまうときは、たとえば次のような形です。思い当たるものがあれば、カッコの中の工程から見直しましょう。
- 開設してすぐ、何を出せばいいか分からなくなった(目的と型が決まっていない)
- 担当者が忙しい月に、更新が止まった(時間が業務に入っていない)
- 続けているのに、来店や応募が増えた実感がない(見直しをしていない)
この記事は、SNS運用の全体の地図です。始める前の準備の順番は「中小企業のSNS活用方法」にまとめたので、ここでは回し始めてからの時間と分担を中心に見ていきます。
02目的は、どう決める?
目的は、1つのアカウントにつき1つに絞ります。「来店を増やしたい」「採用の応募を増やしたい」「会社を知ってもらいたい」全部を一度に狙うと、投稿の中身がぼやけてしまいます。
決めるときは、次の1文を埋めてみてください。
- 「(誰)に、(何)を見てもらい、(どんな行動)をしてほしい」
- 例:甲府市と甲斐市の30〜40代の家族に、季節のケーキを見てもらい、予約してほしい
- 例:県内の高校生と保護者に、現場の働き方を見てもらい、職場見学に申し込んでほしい
目的が決まったら、成果を測る数字も1つだけ決めます。来店なら「SNSを見て来た人の数」、採用なら「SNSからの問い合わせの数」です。フォロワー数は途中の目安で、ゴールではありません。
この1文があると、投稿のネタも、見る数字も決まります。目的ごとの使い方と見るべき数字は「中小企業のSNS活用方法」で紹介しています。
03媒体は、いくつ使えばいい?
最初は1〜2つで十分です。見つけてもらう媒体と、つながり続ける媒体を1つずつ選ぶと、役割がはっきりします。
| 役割 | 主な媒体 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 知らない人に見つけてもらう | Instagram、TikTok、YouTube | TikTokの始め方/YouTubeチャンネル |
| 来てくれた人とつながる | LINE公式アカウント | LINE公式アカウントの使い方 |
| 来る前に確かめてもらう | Instagramのプロフィール | プロフィールの整え方 |
つながり続ける媒体の代表が、LINE公式アカウントです。LINEヤフー社の料金表(2026年10月時点)では、月額0円のプランで月200通まで送れるので、友だちが少ないうちは費用をかけずに始められます。
どの年代がどの媒体を使っているかは、総務省の調査をもとに「企業のSNSの使い分け」でまとめています。媒体を増やすのは、1つめが3か月続いてからにしましょう。
04誰が、月に何時間やる?
小さな会社の体制は、おおむね次の3つの型に分かれます。
| 型 | 向いている会社 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 1人で兼任 | 社員数名の店や会社 | 担当が休むと止まる |
| 社内で分担 | 撮る人・書く人を分けられる | 確認の人を1人に決める |
| 外部と分担 | 撮影や編集に手が回らない | アカウントは自社で持つ |
作業量の目安を、1つの媒体に週2回投稿する場合で考えてみます。下の図は、写真と短い動画を半々で出すときの、1か月あたりの時間の例です。
合わせると、1か月でおよそ20時間、週に5時間ほどです。慣れれば短くなりますが、最初の3か月はこのくらいを見込んでおくと安心です。
週5時間を、たとえば次のように割り振ると、1週間の流れが決まります。
- 月曜:その週に出す2本の文章を書き、予約投稿を入れる(1.5時間)
- 水曜・金曜:投稿のあと、コメントやメッセージに返信する(各30分)
- 毎日:ストーリーズで今日のお知らせを1つ出す(各10分)
- 月に1回:半日のまとめ撮りと、30分の振り返り
InstagramとFacebookは、Meta Business Suiteで投稿を予約できます。決まった曜日にまとめて予約すると、毎日スマホを開く手間が減ります。
担当者の本来の仕事に、この時間をそのまま上乗せすると、続けるのは難しくなります。「SNSの時間」を業務の予定に入れることが、体制づくりの第一歩です。
業種別に見ると
同じ「週に5時間」でも、業種によって時間の使い方や、忙しくなる時期は変わります。考え方の例をまとめました。
05投稿は、どう作れば続く?
続けるコツは、毎回ゼロから考えないことです。次の3つを決めておくと、作る時間を減らせます。
- まとめて撮る日:月に1回、半日で1か月分の写真と動画を撮る
- 投稿の型:「商品紹介」「作る様子」「スタッフ」「お客様の声」など、くり返せる型を4〜5つ持つ
- 月の予定表:季節の行事やセールを、先に1か月分並べておく
山梨なら、桃やぶどうの季節、紅葉、年末年始など、季節の話題が毎月あります。季節の予定表を先に作っておくと、ネタを探す手間が減ります。ネタの探し方は「SNSの投稿ネタの考え方」で紹介しています。
投稿の形ごとの作り方は、次の記事で詳しく書いています。
- リールの作り方:知らない人に届けたい短い動画
- フィードとカルーセル:保存してもらいたい情報
- ストーリーズ:今日のお知らせや、フォロワーとのやりとり
- YouTubeの動画企画:あとから探される、長めの動画
文章は、1行目に「誰に向けた、何の話か」を書きます。地名や商品名を入れておくと、検索で見つけてもらえる手がかりにもなります。
撮影の日にスマホを縦と横の両方で回しておくと、1回の撮影で複数の媒体に使えます。
06いつ、何を見て見直す?
見直しは月に1回、30分〜1時間で十分です。毎日数字を見て一喜一憂するより、月に1回、同じ数字を同じ順番で見るほうが、変化に気づけます。
振り返りでは、数字と一緒に次の3つも書き残しておきます。1年分たまると、季節ごとに何が届いたかが分かる、自社だけの資料になります。
- いちばん反応がよかった投稿と、その理由の見立て
- お客様や応募者から聞いた「SNSを見て」の声
- 来月、1つだけ変えること
InstagramやTikTokには、投稿ごとの数字を見られる画面があります(Instagramは、公開アカウントならアカウント全体の数字も見られます)。見る数字と、その読み方は「Instagramのインサイトの見方」で紹介しています。
3か月たったら、目的に近づいているかを確かめます。数字が動かないときは、投稿の型、出す時間、媒体の順に1つずつ変えてみましょう。一度にすべてを変えると、何が効いたのか分からなくなります。
投稿の中身は合っているのに、届く人の数そのものが足りないこともあります。そのときは、市町村を絞った少額の広告で、反応のよかった投稿を後押しする方法もあります。どのくらいの人に届くかは「インスタ広告を市町村に絞って少額で出すと」で紹介しています。
07外に頼むなら、どこを任せる?
全部を自社でやる必要はありません。返信のように社内でしかできないことは残し、時間のかかる撮影や編集を外に任せる分け方が基本です。役割分担の考え方は「中小企業のSNS活用方法」でも紹介しています。
頼むときは、次の3つを最初に渡しておくと、やりとりが少なくてすみます。
- 02で決めた「誰に、何を見てもらい、どうしてほしいか」の1文
- 季節の予定表と、写してよい場所・写してはいけない場所
- 言ってはいけないこと(値引きの約束、効き目の言い切りなど)
外部に頼む場合も、アカウントのログイン情報と権限は自社で持つようにしましょう。担当や依頼先が替わっても、積み上げた投稿とフォロワーを失わずにすみます。社員が写る動画を出すときは、先に「社員を動画に出すときの同意書」も確認しておくと安心です。
08よくあるご質問
Q投稿は毎日したほうがいいですか?
毎日でなくてかまいません。週1〜2回でも、同じペースで続けることのほうが大切です。無理な回数を決めて止まるより、続けられる回数から始めましょう。
Q担当者が1人しかいません。それでも回せますか?
媒体を1つに絞り、月1回のまとめ撮りと投稿の型を決めれば回せます。担当が休むときのために、ログイン情報と投稿の手順だけは、ほかの人にも分かるようにしておきましょう。
Qどのくらい続ければ、効果が分かりますか?
まずは3か月を1つの区切りにして、目的に近い数字が動いているかを見ます。来店や応募の数は、お客様に「何を見て来たか」を聞いて数えるのがいちばん確かです。
Q撮影と編集だけを頼むことはできますか?
はい。ホマレグラフでは、月1回のまとめ撮りから、縦型・横型の動画の編集、投稿の予定づくりまで、必要なところだけお手伝いできます。ご相談・お見積もりは無料です。
SNS運用は、目的、媒体、体制、投稿、見直しの5つの工程を毎月くり返す仕事です。目的と媒体を絞り、週2回の投稿なら月20時間ほどを業務に入れておく。まとめ撮りと型で作る時間を減らし、月1回同じ数字を見て、3か月ごとに1つずつ変える。この流れができれば、小さな会社でもSNSは続きます。
参考:作業時間は、ホマレグラフが一般的な制作工程から示した目安で、業種や投稿の形によって変わります。/Metaビジネスヘルプセンター「Meta Business Suiteでプランナーを使う際のベストプラクティス」/LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」/Instagramヘルプセンター「Instagramのインサイトについて」
山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。
この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。