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地域で知名度を上げる方法
山梨の中小企業が最初の1年でやる順番

執筆:木本 一心(ホマレグラフ株式会社 代表)出典 6件を記事の最後に掲載
山に囲まれた田園と住宅が広がる地方の町並み

「地域でもっと名前を知ってもらいたい。でも、何から手をつければいいのか分からない」そう感じている会社やお店もあるのではないでしょうか。この記事では、山梨の中小企業が最初の1年で何をどの順番で進めればいいのかを、知名度の確かめ方とあわせて整理します。

01知名度づくりは、何から決める?

「地域で知名度を上げたい」と思ったとき、最初に決めたいのは、誰に知ってもらいたいかです。年代によって、ふだん見ているメディアが大きく違うからです。

総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(令和7年度、2025年12月調査)で、20代と60代の平日1日のメディアの使い方を比べてみましょう。

20代はネット、60代はテレビの利用時間が長く、70代ではテレビ(リアルタイム)が平日1日313.5分にのぼります。同じ「地域の人」でも、若い世代にはネット、60代以上にはテレビや新聞のほうが届きやすいのです。

たとえば、子育て中の家族に来てほしい学習塾や小児歯科と、シニアに知ってほしい補聴器のお店や葬儀社とでは、使う媒体が変わります。「地域の全員」を相手にすると予算が足りなくなりがちです。まずは「甲府市周辺の30〜40代の家族」のように、相手を1つに絞りましょう。

山梨は、1世帯あたりの自家用乗用車が1.489台と、全国の1.001台を大きく上回る車社会です(自動車検査登録情報協会、2026年3月末)。道沿いの看板やラジオのように、移動中に目や耳に入る媒体も選択肢になります。

02最初の1年の全体像:4つの段階

知名度づくりは、お金のかからないものから順に積み上げていくのが基本です。先に土台を整えておかないと、広告を見て調べてくれた人が、お店の情報を見つけられません。

段階1と2は、どの会社でもすぐに始められます。段階3からは動画が必要になりますが、作った動画は段階4やSNSでも使い回せます。それぞれの媒体の費用や届く相手は「広告の種類とメリット・デメリット」の比較表にまとめています。

03段階1:無料でできること

最初の1〜3か月は、お金をかけずに「調べたら見つかる」状態を作ります。

Googleビジネスプロフィールを整える

Googleビジネスプロフィールは、Googleマップや検索に、お店や会社の情報を無料で載せられるサービスです。写真、営業時間、電話番号、お知らせの投稿、口コミへの返信ができます。行き先をスマホの地図で調べる人に見つけてもらうために、まずはここを整えましょう。

  • 写真を増やす:外観、入口、駐車場、店内、商品やサービスの様子。初めての人が迷わないように。
  • 営業時間を正しく:定休日や、季節で変わる時間も更新する。
  • 口コミに返信する:よい口コミにもお礼を書く。返信の内容も、見る人にとっては会社の印象になります。

SNSとLINE公式アカウントを始める

SNSやLINE公式アカウントは、無料で始められる発信の場です。LINE公式アカウントは、無料のプランでも、月200通(送る相手の人数×回数で数えます)までお知らせを送れます。

来てくれたお客さんに友だちになってもらえば、次のお知らせを直接届けられます。SNSの選び方は「企業のSNSの使い分け」で紹介しています。

地域の場に顔を出す

商工会や商工会議所の集まり、地域のお祭りやイベントへの協力も、名前を知ってもらうきっかけになります。新しいサービスを始めるときは、地元の新聞社やテレビ局に、ニュースのネタとして知らせる(プレスリリースを送る)方法もあります。取り上げてもらえるかは分かりませんが、費用はかかりません。

04段階2:少額から始める広告(チラシ・地域情報誌)

土台が整ったら、少しずつお金をかけて、まだ知らない人に届けます。山梨で、まず考えたいのがチラシです。

新聞を取っている年代の方に届けたいなら折込チラシ、若い家族に届けたいなら、新聞を取っていない家にも配れるポスティングが向いています。年代ごとの違いは「広告の種類とメリット・デメリット」で紹介しています。地域情報誌は、地元のお店やイベントを探している人が読むので、飲食店や習いごとの教室などと相性がよい媒体です。

チラシにはQRコードを付けて、Googleマップやホームページ、動画に案内するのがおすすめです。紙を見た人が、そのままスマホで詳しく調べられます。どのチラシから来たかが分かるように、配る地区ごとにクーポンの番号を変えておくと、効果も比べられます。反響率の計算や、折込とポスティングの選び方は「チラシの反響率の平均は?」で紹介しています。

05段階3:TVerの地域指定で、動画で知ってもらう

写真や文字だけでは伝わりにくい、お店の雰囲気や人柄を伝えるには、動画が向いています。地域を絞って動画を届けられる広告の一つが、TVerです。

TVerは、テレビ局の番組をネットで見られるサービスです。広告は番組の合間に流れるので、テレビCMに近い形で、ネットで番組を見る人に届けられます。年代ごとの利用率は「広告の種類とメリット・デメリット」で紹介しています。

知名度のための動画で、押さえたいこと

名前を覚えてもらうための動画は、商品の細かい説明より、「どこの、何の会社か」が伝わることを優先します。

  • 名前を、最初と最後に出す:会社名やお店の名前を、画面の文字と声の両方で伝える。
  • 地元の景色を入れる:お店の外観や、近くの通り、富士山や八ヶ岳が見える場所など、地域の人が「あそこだ」と分かる場面を入れる。
  • 人の顔を出す:代表やスタッフが出ると、どんな人がやっているのかが伝わり、親しみを持ってもらうきっかけになります。
  • 長さを分けて用意する:30秒の本編と15秒の短い版を作り、同じ撮影から縦型のSNS用も作っておくと、段階4やSNSでも使い回せます。

TVerは、配信する地域を市町村の単位まで選べます(TVer社のよくある質問)。テレビCMのように県全体に流さず、商圏に絞って届けられます。市町村の選び方は「TVer広告は地域指定できる?」で紹介しています。

配信の前に、段階1のGoogleマップやホームページを整えておきましょう。動画を見て名前を検索した人が、迷わずたどり着けます。

06段階4:単発の広告で、強く印象に残す

夏の軒先に、たくさんの色ガラスの風鈴が揺れている様子

ここまでの段階で、地域の人に繰り返し名前を見てもらう仕組みができました。そのうえで、時期を決めて、印象に残る広告を足すのが段階4です。

  • 映画館(シネアド):夏休みや冬休みの家族向けの作品の前に流せば、子育て中の家族にまとめて届けられます。山梨の映画館の数や仕組みは「シネアドとは?」で紹介しています。
  • ゴルフ場:首都圏から来る人にも届けたい会社には、選択肢の一つになります。詳しくは「ゴルフ場の広告とは?」で紹介しています。
  • 地域のイベント:お祭りやスポーツの大会の協賛、会場での動画の上映など。山梨では、春の信玄公祭りや、秋のワインのイベントなど、人が集まる時期がはっきりしています。

単発の広告は、それだけで知名度が続くわけではありません。段階1〜3で繰り返し接点を作ったうえで、強い印象を足すために使いましょう。

071年の進め方と、知名度の測り方

4つの段階を、1年の予定に落とし込むと、たとえば次のようになります。季節で忙しさが変わる業種は、繁忙期の1〜2か月前に段階3が来るように調整しましょう。

知名度は、こうして確かめる

「知名度」は目に見えにくいものですが、次のような数字や声で、変化を確かめられます。

  • Googleビジネスプロフィールの数字:Googleのヘルプによると、プロフィールの閲覧数、ルートを調べた人の数、電話ボタンが押された回数などが確かめられます。広告を出した月と出していない月で比べましょう。
  • 名前での検索:会社名やお店の名前で検索された回数が増えれば、名前を覚えてもらえた目安になります。
  • 「何で知りましたか」を聞く:問い合わせや来店のときに聞いて、記録しておく。手間がかからず、お客さんの声で確かめられます。
  • TVerのレポート:表示の回数のほか、年齢・性別・都道府県ごとの結果が分かります。市町村ごとの結果は、問い合わせの住所などで確かめます。

予算は、最初から全部の段階に分けて使うより、1つの段階を数か月続けてから次に進むほうが、効果を見分けやすくなります。同じ時期にいくつもの広告を始めると、どれが効いたのか分からなくなるからです。

数字が動かない媒体は、内容か、届ける相手か、地域を見直します。1年かけて「どの相手に、どの媒体が効くか」が分かれば、2年目は、効いた媒体に予算を寄せられます。

業種別に見ると

知ってもらいたい相手と時期は、業種によって違います。山梨でも身近な業種で、1年の進め方の例をまとめました。

飲食店たとえば甲斐市や昭和町の飲食店なら、知ってもらいたいのは近くで働く人や、週末に出かける家族です。まずGoogleマップに料理と駐車場の写真を載せ、Instagramで季節のメニューを知らせます。歓送迎会や忘年会が増える時期の1〜2か月前に、商圏の市町村へTVerで動画を流し、予約のときに「何で知りましたか」を聞いて、次の年の時期を決めましょう。
デイサービス・介護施設たとえばデイサービスなら、知ってもらいたいのは利用する本人と、その家族です。新聞を読む人の割合が高い60代以上には折込チラシ、働き盛りの家族にはTVerの地域指定と、相手ごとに媒体を分けます。施設の中の様子を動画で見せると、初めての人の不安を和らげるきっかけになります。
フィットネスジムたとえばフィットネスジムなら、通う人は近くに住む人か、近くで働く人です。まずGoogleマップとInstagramで店内の様子を見せ、年明けや新年度など、始めたい人が増える時期の前に、商圏の市町村へTVerで動画を流します。チラシのクーポンの番号を地区ごとに分ければ、どこから来たかも分かります。

08よくあるご質問

Q知名度が上がるまで、どれくらいかかりますか?
A

業種や地域、出す量によって変わるため、一概には言えません。1回の広告で覚えてもらうのは難しいので、少なくとも数か月は同じ相手に繰り返し届ける前提で、予定を立てるのがおすすめです。

Q無料の方法だけでも、知名度は上がりますか?
A

GoogleマップやSNSを整えることは、調べてくれた人に見つけてもらうためにとても大切です。ただ、まだ名前を知らない人には、無料の方法だけでは届きにくいものです。土台を整えてから、少しずつ広告で「知るきっかけ」を足しましょう。

Q山梨県全体に広告を出したほうがいいですか?
A

お客さんが来る範囲が限られているなら、商圏の市町村に絞ったほうが、同じ予算で繰り返し届けられます。TVerなら市町村の単位で地域を選べます。県全体に出すのは、県内のどこからでもお客さんが来る業種に向いています。

Q何から始めればいいか、相談できますか?
A

はい。知ってもらいたい相手や商圏、ご予算をお聞きして、1年の進め方をご提案します。TVer広告の配信、動画の制作、SNSの運用は、ホマレグラフでそのままお手伝いできます。ご相談・お見積もりは無料です。

まとめ

地域で知名度を上げるには、まず「誰に知ってもらいたいか」を決めます。最初の1年は、無料のGoogleマップとSNSで土台を整え、チラシや地域情報誌で知るきっかけを作り、TVerの地域指定で商圏に動画を届け、単発の広告で印象を足す。数字と「何で知りましたか」の声で確かめながら進めましょう。

参考:総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月)/Google ビジネスプロフィール/Google ビジネスプロフィール ヘルプ(パフォーマンス)/LINEヤフー for Business LINE公式アカウントの料金プラン/自動車検査登録情報協会 自家用乗用車の世帯当たり普及台数(2026年3月末)/TVer広告 よくある質問(TVer社)

この記事を書いた人 木本 一心ホマレグラフ株式会社 代表取締役 / Ad Arch グループ 山梨県拠点代表

山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。

この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。

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