CM制作の流れと期間。
依頼から放送・配信までにかかる日数

「春の新生活に合わせてCMを流したい」「夏のセールに間に合わせたい」CMを出したい時期が決まっているとき、いちばん気になるのは「いつまでに頼めば間に合うのか」ではないでしょうか。この記事では、CM制作の流れを工程ごとに整理し、放送や配信までにかかる日数の目安を順に見ていきます。
01CM制作の全体の流れ
CM制作は、大きく「準備」「撮影」「仕上げ」「納品・審査」の4つの段階に分かれます。工程を順に並べると、次のようになります。
意外かもしれませんが、撮影そのものは1日から数日で終わります。時間がかかるのは、その前の企画と準備、そして撮影のあとの仕上げと、放送局への納品・審査です。CMのスケジュールは、撮影日からではなく、放送日から逆算して考えるのが基本です。
02期間の目安は、どれくらい?
CM制作の期間は、内容や規模によって大きく変わります。工程ごとの日数を定めた公的な基準はありません。
手がかりになるのが、沖縄県が公表している資料です。テレビCMは構成・撮影・編集・納品・放送枠の確保があるため、最短でも放送までに3〜4週間かかるとしています。内容がシンプルでも、少なくとも1か月ほどは見ておきたいところです。
これはあくまで最短の日数です。企画が決まらない、社内の確認に時間がかかるといったことがあれば、そのぶん延びます。はじめての出稿なら、放送したい日の2〜3か月前には相談を始めると、企画や確認に時間をかけられます。
自社のテレビCMに携わった111人に、はじめてのテレビCMについて聞いた民間の調査があります。後悔したことがあると答えた96人のうち53.1%が「制作期間が長かった」を挙げ、いちばん多い答えでした(東通メディア調べ、2022年10月)。思っていたより時間がかかることは、つまずきやすいポイントです。
03企画・準備(プリプロダクション)
撮影の前の、企画と準備の工程を「プリプロダクション」と呼びます。CMのできあがりは、この段階でほぼ決まると言ってもいいほど大切な工程です。
なかでも時間がかかりやすいのが、企画とコンテ(絵コンテ)の確認です。社内で確認する人が多い場合や、方向性が決まらない場合は、ここで何週間も止まってしまうことがあります。最初のオリエンテーションで、目的、見てほしい人、伝えたいことを1つに絞って伝えることが、期間を短くするいちばんの近道です。
04撮影
撮影は、内容にもよりますが、15秒や30秒のCMなら1日から数日が目安です。ただし、撮影日を決めるときには、次のような点に注意が必要です。
- 天候:屋外の撮影は、雨や風で延期になることがある。予備日を決めておく。
- 季節:花や紅葉、雪など、季節の景色はその時期にしか撮れない。
- 出演者の予定:タレントやキャストを起用する場合は、その人の予定に合わせる必要がある。
- 場所の許可:お店や施設、公共の場所で撮る場合は、事前の許可が必要。
05編集・音の仕上げ
撮影のあとは、映像をつなぐ編集と、音を仕上げる作業です。まず仮の編集で構成を確認し、OKが出たら、色や文字を整える本番の編集に進みます。最後に、ナレーションや音楽、効果音を合わせて音を仕上げる作業(MA)を行います。
テレビCMには音の大きさの決まりがある
テレビCMの音の大きさは、番組との差が大きくならないように、民放連の技術規準(T032)と「テレビCM素材搬入基準」で決められています。
平均の音の大きさ(ラウドネス)の目標は-24.0LKFS(LKFSは音の大きさの単位)で、CMの最初と最後は、それぞれ0.5秒以上、音を入れないことになっています。この決まりに合わせて仕上げないと、納品のときにやり直しになることもあります。
06納品と審査:締切はいつ?
できあがったCMは、放送局に納品します。民放連の「テレビCM素材搬入基準」では、素材を納める締切は、放送日を含まない4日前とされています。土曜・日曜・祝日をはさむ場合は、その日数分だけ前倒しになります(各局で異なる対応をする場合もあります)。
たとえば月曜日に放送する場合、締切は前の週の火曜日です。金曜日に放送する場合は、同じ週の月曜日が締切です。年末年始や大型連休は、各局が別に締切を決めます。
また、テレビCMには、1本ごとに「10桁のCMコード」をつける決まりがあり、コードのない素材は放送できません。以前はテープで納品していましたが、民放連の基準では2021年にテープが搬入基準から外れ、いまはオンラインやファイルでの納品が基本です。
放送局の審査(考査)
テレビCMは、放送の前に、放送局による審査(考査)を受けます。日数は局ごとに異なるため、早めに確認しておきましょう。TVer広告は、会社の審査(業態考査)と素材の審査がそれぞれ通常3営業日ほどです。詳しくは「TVer広告の審査とは?」で紹介しています。
07期間が延びやすい理由と、間に合わせるコツ
CM制作の期間が延びやすいのは、次のようなときです。
間に合わせるためのコツは、放送・配信したい日から逆算して、早めに相談を始めることです。特に、季節の景色を使いたい場合は注意が必要です。
山梨なら、春の桃の花、秋のぶどうと紅葉、冬の雪の富士山。季節の景色を入れたいCMは、その季節が来る前に撮影の計画を立てておきましょう。春のCMに桃の花を入れたいなら、前の年の春に撮っておく、という計画も考えられます。
秋のうちに相談を始めれば、はじめてのCMでも、3月の新生活シーズンに間に合わせる計画を立てやすくなります。年末年始や大型連休は各局が別に納品の締切を決めます。番組が入れ替わる4月・10月の改編期の前後も、放送枠を含めて早めに相談しておきましょう。
業種別に見ると
「いつ流したいか」から逆算すると、準備を始める時期は業種ごとに変わります。山梨でも身近な業種で、逆算の例をまとめました。
08テレビCMとTVer・SNS用の動画を同時に作る
せっかくCMを作るなら、テレビだけで使うのはもったいないものです。撮影は1回にして、編集の段階で、使う場所に合わせた動画を作り分けるのがおすすめです。
- テレビCM用の15秒・30秒
- TVer用(6〜60秒、MP4)
- ホームページ用の長い版
- SNS用の縦型の短い版
- 店頭サイネージ用(音なしでも伝わる版)
- カット違い・季節違いの版
TVer用は、テレビ用に仕上げた動画をTVerの入稿規定に合わせて書き出せば、多くの場合そのまま使えます。決まりは「TVer広告の審査とは?」で紹介しています。
最初の企画の段階で、どこで使うかを決めておくと、撮るカットや、縦型の画面で見せたい場面も、まとめて準備できます。
09よくあるご質問
Q急ぎの場合、最短でどれくらいの期間でCMを出せますか?
内容によりますが、テレビCMは構成・撮影・編集・納品・放送枠の確保があるため、最短でも3〜4週間ほどかかるとされています。今ある映像や写真を使う、TVer広告から始めるなど、早く出す方法もご提案します。
Q撮影は1日で終わりますか?
15秒や30秒のCMなら、1日で撮り終えられる内容もあります。ただし、場所が複数ある場合や、天候に左右される屋外の撮影では、予備日を含めて計画します。
Q放送局への納品も頼めますか?
はい。音の大きさなどの基準に合わせた仕上げから、納品に必要な準備まで対応します。放送枠の確保についても、ご相談ください。
QテレビCMとTVer広告、同じ動画を使えますか?
多くの場合、使えます。ただし、ファイルの形式など、TVerの決まりに合わせた書き出しが必要です。審査もそれぞれで行われます。
CM制作は、撮影そのものより、企画・準備と、仕上げ・納品・審査に時間がかかります。テレビCMは最短でも3〜4週間。はじめてなら、放送したい日の2〜3か月前には相談を始めておくと安心です。放送日から逆算して早めに動き、1回の撮影からTVerやSNS用の動画も作れば、撮影の手間を1回にまとめられます。
参考:日本民間放送連盟「テレビCM素材搬入基準」(2023年2月改訂版)/日本民間放送連盟 ラウドネス関連/沖縄県 効果検証シート(令和3年度)/東通メディア はじめてのテレビCMに関する調査(2022年)/TVer広告 公式コラム:出稿までの流れ/TVer広告 広告入稿規定
山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。
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