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シネアドとは?
映画館広告の仕組みと、向いている会社

執筆:木本 一心(ホマレグラフ株式会社 代表)出典 5件を記事の最後に掲載
映画館のスクリーンと客席

映画の本編の前に、大きなスクリーンで流れる広告。「うちのような地域の会社でも出せるの?」「費用や手続きはどうなっているの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、シネアド(映画館広告)の仕組み、流し方の選び方、費用の考え方と出すまでの流れ、山梨の会社が使うときの考え方を、公表されている資料をもとに順にお伝えします。

01シネアド(映画館広告)とは?

シネアドとは、映画館のスクリーンで、映画の本編が始まる前に流れる広告のことです。上映の前には、決まった順番で映像が流れています。大手チェーンの案内をもとに整理すると、次のとおりです。

チケットに書かれた上映の開始時刻を過ぎてから、予告編の前までに流れるのがシネアドです。その前の、お客様が入れ替わる時間の広告は「プレアド」と呼ばれます。

イオンシネマの調査では、上映の開始時刻までに席についている人は平均70%でした(2013年6月の、少し古い調査です)。多くの人が、映画を楽しみに待っている時間に流れる広告です。

02映画館に行く人は、減っている?

映画館の赤い客席

「映画館に行く人は減っているのでは?」と思われるかもしれません。日本映画製作者連盟の発表では、2025年の入場者は1億8,876万人で、前年比130.7%と大きく伸びました。興行収入も過去最高です。

映画館は、いまも多くの人が足を運ぶ場所です。

03シネアドは、なぜ記憶に残りやすい?

シネアドには、ほかの広告にはない特徴があります。

映画館の広告を扱うサンライズ社の「映画館ユーザーレポート2025」では、シネアドで見た商品を、あとから検索した人は40%でした。媒体を扱う会社自身の調査なので、すべての広告で同じとは限りません。ただ、映画館が記憶に残りやすい環境であることがうかがえます。

04全スクリーンか、作品指定か

シネアドの流し方には、大きく分けて2つの方法があります。

作品を選べるのは、シネアドならではの特徴です。家族向けのアニメ映画なら子育て中の家族に、恋愛映画なら20〜30代に、と見る人を想像して選べます。

上映は金曜日から木曜日までの1週間が基本の単位です。通常の枠で約束されるのは上映の「期間」で、上映の回数や来場者の数は保証されません。

05シネアドが向いているのは、どんな会社?

同じレポートでは、直近1年間に映画館へ行った人は全体で49%、20代では66.1%でした。映画館は、若い世代とも接点を持ちやすい場所です。

スクリーンの広告のほかに、ロビーでの展示や、チラシの配布、貸し切りの上映会といった使い方もあります。

業種別に見ると

同じシネアドでも、選ぶ作品や時期、流す映像の中身は業種によって変わります。山梨に多い業種を例に、使い方を挙げます。

学習塾たとえば学習塾なら、春休みや夏休みに公開される家族向けのアニメ映画を選び、作品指定で流す方法があります。親子で並んで見ている時間に、教室の雰囲気や先生の顔、場所を伝えておけば、家に帰ってから「どこの塾にしようか」と話すきっかけになりやすくなります。
工務店・住宅たとえば工務店なら、休日に家族で映画を見に来る人に向けて、完成した家で家族がくつろぐ様子を大きな画面で見せる映像が考えられます。見学会の時期に合わせてシネアドで印象を残し、同じ映像をTVer広告でも流せば、見学会の前に何度か思い出してもらいやすくなります。
製造業の採用たとえば製造業の採用なら、若い世代が多く見に来る作品を選び、工場で働く先輩の姿や、甲府盆地の景色を映した映像を流す方法があります。新卒採用が動く時期に合わせて流し、会社名や採用ページの名前をナレーションでも伝えておくと、あとで検索してもらうきっかけになります。

06費用の考え方と、出すまでの流れ

光を放つ映写機

シネアドの費用は、主に次のような要素で決まります。

  • どの映画館か:来場者の多い大都市ほど高い。
  • 流し方・期間・秒数:全スクリーンか作品指定か、何週間、何秒か。
  • 流す位置:本編の直前など、特別な枠は高い。
  • 映像の変換:映画館用の形式(DCP)への変換や配信の費用は別にかかる。

媒体の資料では、上映の16営業日前までに申し込み、8営業日前までに映像を納める流れです。上映が終わってから2〜3週間後に、入場者数などの報告が届きます。枠は基本的に先着順なので、出したい時期が決まっていれば早めの相談がおすすめです。

申し込みの前に知っておきたいこと

  • 申し込み後のキャンセル:原則としてできない。
  • 同業の広告:同じ期間に、同業の会社の広告が流れることがある。
  • 流れる順番:ほかの広告との順番は指定できない。
  • 特別な上映:舞台あいさつなどの特別な上映では流れないことがある。

映画館ごとの審査がある

上映できるかどうかは、映画館を運営する会社がそれぞれ判断します。同じ商業施設に競合のお店がある場合などは、上映できないこともあります。また、映像に使う音楽や画像の権利の確認は、広告を出す会社の責任です。

07山梨の会社がシネアドを使うなら

山梨県内の映画館は、甲府市のシアターセントラルBe館と、昭和町のTOHOシネマズ甲府です(2026年10月時点)。県内のシネコンはTOHOシネマズ甲府の1館なので、県内でシネコンに来る人には、この1館でまとめて届けられます。なお、イオンシネマは山梨県内にはありません。

媒体の資料では、半年や1年の長期の枠は、映画館の周りの会社やお店が、名前を覚えてもらうために使うことが多いとされています。

シネアドは1回でも記憶に残りやすく、TVer広告は地域を絞って何度も届けるのが得意です。同じ映像を両方に使えば、制作の費用もムダになりません。

08よくあるご質問

Qシネアドは何秒の広告を流せますか?
A

15秒が基本で、60秒などの長い広告を流せる場合もあります。条件は映画館や枠によって異なります。

QテレビCMの映像を、シネアドに使えますか?
A

使える場合が多くあります。ただし、映画館用の形式への変換と、大きな画面での画質や音の確認が必要です。

Q1つの映画館だけに出すこともできますか?
A

はい。1館から出すことができます。地域の会社なら、お店や会社の近くの映画館を選ぶのがおすすめです。

Qどんな業種でも出せますか?
A

映画館を運営する会社ごとに審査があり、業種や表現によっては上映できない場合があります。事前に確認します。

まとめ

シネアドは、映画の本編の前に、大きなスクリーンと音響の中で流れる広告です。作品で見る人を選び、記憶に残る1本を届ける。TVer広告と組み合わせれば、強い印象と繰り返しの接触を両立できます。

参考:日本映画製作者連盟 日本映画産業統計/イオンシネマ 広告のご案内/イオンシネマ シネアドについて/サンライズ シネアド媒体資料(2026年1〜3月期)/映画.com 山梨県の映画館一覧

この記事を書いた人 木本 一心ホマレグラフ株式会社 代表取締役 / Ad Arch グループ 山梨県拠点代表

山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。

この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。

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