広告・HP・SNS・動画の窓口を一つにすると何が変わる?
メリット・デメリット

広告は代理店、ホームページは制作会社、SNSは運用代行、動画は映像の会社。気がつけば、連絡先が4つになっていませんか。それぞれに同じ説明をして、素材を受け渡して、出てくる数字もばらばら。この記事では、別々に頼むときに起きやすいことと、窓口をまとめると変わることを整理します。まとめないほうがよい場合や、依頼先を選ぶときの確認点も紹介します。
01別々の会社に頼むと、どんな困りごとが起きる?

広告、ホームページ、SNS、動画。どれも会社のことを「伝える」仕事ですが、分野ごとに専門の会社があります。必要になった順に頼んでいくと、窓口は自然に増えていきます。
窓口が分かれていると、次のようなことが起こりえます。
1つずつは小さな手間に見えます。ただ、担当者が1人で4社とやりとりする状態が続くと、本来の仕事の時間が少しずつ削られていきます。広告やSNSの担当を、ほかの仕事と兼ねている会社では、この負担はなおさら大きくなります。
もう1つ見落としやすいのが、会社どうしの「すき間」です。たとえば、広告で「冬の限定メニュー」を出したのに、ホームページにはまだ載っていない。どちらの会社も自分の担当はきちんとこなしていても、つなぎ目を見る人がいないと、こうしたずれが起きます。
02なぜ今、窓口をまとめる意味が大きいのか?
まとめる意味が大きくなった背景には、広告の中心がネットと動画に移ってきたことがあります。電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月公表)では、インターネット広告費が総広告費の50.2%となり、初めて半分を超えました。
動画の広告も大きく伸びています。同じ日に公表された詳細分析では、ネットの動画広告は1兆275億円(前年比121.8%)で、初めて1兆円を超えました。
ネット広告の媒体費が伸びた理由として、動画広告、中でもSNS上の縦型動画広告の伸びが挙げられています。また電通の発表によると、テレビ局が関わる動画配信に流れる広告(テレビメディア関連動画広告)も、805億円(前年比123.3%)に増えました。
いまの広告は、1回の撮影から「どこで、どの形で見せるか」を組み合わせて考えるようになっています。縦型の短い動画はSNSへ。横型の動画はTVer広告やホームページへ。写真は求人票やチラシへ。
この組み合わせを生かすには、撮る前に、使う場所を全部決めておく必要があります。窓口が別々だと、この「撮る前の設計」を誰も担当しないまま進みやすくなります。SNSごとの形の違いは「企業のSNSの使い分け」、テレビ画面に流れるネット広告は「コネクテッドTV広告とは?」で紹介しています。
03窓口を一つにすると、何が変わる?
窓口をまとめたときの変化は、大きく4つです。
- 方針がそろう:誰に、何を、どんな言葉で伝えるかを1か所で決めるので、広告とホームページとSNSで言うことがずれにくくなります。
- 撮影を使い回せる:1回の撮影から、広告用、SNS用、ホームページ用、採用用を作り分けられます。
- 手間が減る:連絡、説明、素材の受け渡しが1本になります。
- 数字を通しで見やすくなる:広告を見た人がホームページに来て、問い合わせたかどうかまでを一続きで追いやすくなります。
- 会社ごとに方針を説明する
- 撮影や素材づくりが分野ごとに分かれる
- 数字は会社ごとの報告をつなぎ合わせる
- つなぎ目は自社の担当者が見る
- 方針を1か所で決め、全体にそろえる
- 1回の撮影を、広告・SNS・ホームページ・採用に使い回す
- 広告から問い合わせまでを一続きで見やすい
- つなぎ目は窓口の会社が見る
4つ目の「数字」は、見落とされやすいところです。広告の会社は再生回数を、SNSの会社はフォロワー数を、ホームページの会社はアクセス数を報告する。それぞれの数字は正しくても、問い合わせや来店につながったかが分からないことがあります。
窓口が一つなら、「広告を出した週に、ホームページの問い合わせが何件増えたか」まで同じ表にまとめやすくなります。効果が出ないときも、どこで止まっているのかを探しやすくなります。測り方の基本は「広告の効果はどう測る?」にまとめています。
041回の撮影は、どこまで使い回せる?

窓口をまとめたときに差が出やすいのが、撮影です。撮影の日は、出演する人の予定を合わせ、場所を整え、機材とスタッフを動かします。この段取りを1回にまとめられると、時間も費用も抑えやすくなります。
どこに使うかを先に決めておくと、撮影の当日に「縦の画も押さえておく」「社員の話を長めに撮っておく」といった工夫ができます。1日の撮影から作れるものの例は、次のとおりです。
| 使う場所 | 画面の形 | 中身の例 |
|---|---|---|
| TVer広告・YouTube広告 | 横型 | 15秒・30秒にまとめた会社や商品の紹介 |
| ホームページ | 横型 | 1〜2分の会社紹介、サービスの流れ |
| Instagram・TikTok・YouTubeショート | 縦型 | 作業の手元、スタッフのひと言、季節の様子 |
| 採用ページ・求人サイト | 横型・縦型 | 社員インタビュー、1日の流れ |
| チラシ・パンフレット | 写真 | 動画と同じ日に撮った写真 |
山梨には、桃やぶどうの季節、紅葉、富士山がよく見える冬の朝など、撮れる時期が限られる景色が多くあります。年に一度の場面を、すべての用途の分まで撮っておけるのも、まとめて頼む利点です。
使い回すときは、契約で「どこに、いつまで使えるか」を決めておきます。社員が出る場合は、出演の同意も必要です。詳しくは「動画制作の依頼の流れと見積書の見方」と「社員を動画に出すときの同意書」をご覧ください。
業種別に見ると
1回の撮影をどう使い回すかは、業種によっても変わります。考え方の例をまとめました。
05まとめないほうがよいのは、どんな場合?
窓口をまとめることが、いつでも正解とは限りません。次のような場合は、分けておくほうがよいこともあります。
- 専門性がとくに必要な分野:医療や健康食品のように広告の決まりが細かい分野や、大きなネット通販の広告運用など。
- すでにうまく回っている分野:今の会社と長く付き合い、成果も出ているなら、無理に替える理由はありません。
- 社内に担当者とノウハウがある:SNSを社内で続けられているなら、撮影だけ外に頼む形も選べます。
- 1社に頼りきるのが心配:担当者が替わったときや、会社が合わなかったときの影響が大きくなります。
全部まとめるか、全部分けるかの二択で考えなくてもかまいません。方針づくりと撮影だけを一つの窓口に任せ、ホームページの更新は今の会社に続けてもらう、といった組み合わせもできます。
費用の面では、窓口の会社が別の会社に頼む部分があれば、その分の管理の費用がかかることもあります。手数料の仕組みは「広告代理店に頼むと何が変わる?」で紹介しています。
06依頼先を選ぶとき、何を確かめる?
窓口を一つにまとめるなら、最初の打ち合わせで次の点を確かめておくと、あとで困りにくくなります。
| 確かめること | 聞き方の例 | 見るところ |
|---|---|---|
| 自社でやる範囲 | 撮影・編集・デザインは社内ですか | 外に頼む部分と、その会社の名前 |
| 担当者 | 窓口は誰で、どこまで決められますか | 連絡がつく人と、答えが返る早さ |
| 実績 | 同じ業種・規模の制作物はありますか | 実際の動画やページを見られるか |
| 見積もりの内訳 | 何にいくらかかりますか | 媒体費・制作費・手数料が分かれているか |
| 数字の報告 | 何の数字を、いつ報告しますか | 問い合わせや来店まで見る計画か |
| 権利と引き継ぎ | 素材やアカウントは誰のものですか | 契約を終えても自社に残るか |
中でも大事なのが、1つ目の「自社でやる範囲」です。一つの窓口でも、中身は別の会社が作っていることがあります。それ自体は悪いことではありませんが、誰が実際に作るのかを知っておくと、品質や納期の相談がしやすくなります。
07まとめても、自社に残しておくことは?

窓口を一つにしても、すべてを任せきりにするのはおすすめしません。次のものは、自社の手元に残しておきます。
- アカウントとログイン情報:SNSや広告の管理画面は、自社の名義で作る。
- ドメインとサーバーの契約:ホームページの住所にあたる部分は、契約者を自社にしておく。
- 元の素材データ:撮影した動画や写真のデータを受け取れるようにしておく。
- 最後の判断:何を言うか、何を言わないかは、自社で決める。
こうしておけば、もし依頼先を替えることになっても、アカウントや素材を一から作り直さずに済みます。アカウントの管理は「会社のSNSの乗っ取り対策とアカウントの管理」でも紹介しています。
契約の中身や、どこまで頼むかに迷ったときは、公的な窓口も使えます。山梨県のホームページでは、山梨県よろず支援拠点や商工会議所など、中小企業の経営相談の窓口が紹介されています。契約書の細かい判断は、弁護士などの専門家に確かめてください。
ホマレグラフ株式会社では、映像の企画・撮影・編集からTVer広告やSNS運用、Webや印刷物のデザインまで、まとめてご相談いただけます。
08よくあるご質問
Q一つの会社にまとめると、費用は高くなりますか?
一概には言えません。撮影をまとめれば、段取りの費用は抑えやすくなります。一方で、窓口の会社が別の会社に頼む部分には、管理の費用がかかることもあります。合計額だけでなく、何にいくらかかるかの内訳で比べてください。
Q今のホームページの会社と契約したまま、ほかだけまとめられますか?
できます。その場合は、新しい窓口の会社に、ホームページの会社の連絡先と更新の流れを伝えておきます。広告やSNSで新しく出す内容を、ホームページにも早めに反映してもらえるよう、3者で方針を共有しておくと安心です。
Qまとめた会社と合わなかったら、どうなりますか?
アカウントやドメインを自社の名義にし、元の素材データを受け取っていれば、ほかの会社に引き継げます。契約の前に、解約の決まりと、終わったあとに何が自社に残るかを確かめておきましょう。
Qホマレグラフには、どこまでまとめて相談できますか?
映像の企画・撮影・編集、TVer広告、SNS運用、Webや印刷物のデザインを、一つの窓口でご相談いただけます。CG・イベント・ライブ配信・デジタルサイネージにも対応しています。ほかの広告媒体も、媒体の選び方からご相談いただけます。Ad Arch グループ(全国24拠点)の一員として、TVer広告の正規代理店ネットワークも生かします。
広告・ホームページ・SNS・動画を別々に頼むと、手間が増え、方針や数字がばらばらになりやすくなります。窓口を一つにすれば、方針がそろい、1回の撮影を前もって設計して使い回せ、問い合わせまでの数字も通しで見やすくなります。ただし、専門性が必要な分野やうまく回っている分野は無理にまとめず、アカウントと素材は自社に残しておきましょう。
参考:電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日)/CARTA HOLDINGS・電通ほか「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日)/山梨県 相談窓口の案内「仕事・産業」
山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。
この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。