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自社の強みの見つけ方と伝え方。
お客様の声から、名刺・ホームページ・動画へ

執筆:木本 一心(ホマレグラフ株式会社 代表)出典 3件を記事の最後に掲載
マイクロメーターで真ちゅうの部品を測って確かめる手元

「御社の強みは何ですか」と聞かれて、すぐに答えられるでしょうか。「真面目にやっているだけで、特別なことは何も」と思われるかもしれません。この記事では、お客様の声の集め方から強みを見つける手順、他社と比べられたときの言葉選び、ホームページや名刺、動画への落とし込み方までを順に整理します。

01自社の強みは、なぜ自分では見えにくい?

中小企業基盤整備機構の「J-Net21」では、経営者や従業員は、自社の弱みには目が行く一方で、強みには気づかなかったり、誤解していたりすると説明しています。

毎日当たり前にしていることほど、自分では強みだと思えません。反対に、社内で「うちの売りはこれだ」と思っていることが、お客様には選ぶ理由になっていないこともあります。

紹介や長い付き合いで仕事が続いてきた会社では、説明しなくても分かってもらえる相手が中心になります。そうした関係の中では、強みを言葉にする機会があまりありません。新しいお客様や若い求職者に伝えようとしたときに、初めて言葉が必要になります。

同じ解説では、強みが一方的な思い込みだと、それをもとにした戦略はうまくいかないとしています。強みは社内で考えるものではなく、外の人に聞いて確かめるものです。

02お客様の声は、どう集める?

打ち合わせの机でノートにメモを取る二人の手元

J-Net21では、強みを見つける方法として、お客様に自社を使う理由を聞くこと、仕入先にほかの会社との違いを聞くこと、競合と比べること、従業員に聞くことを挙げています。いちばん頼りになるのは、実際に選んでくれたお客様の言葉です。

聞く相手は、長く付き合いのあるお客様と、最近初めて頼んでくれたお客様の両方がよいでしょう。前者からは続いている理由が、後者からは最初に選ばれた理由が分かります。

「うちの良いところは何ですか」と聞くと、「丁寧です」のような答えになりがちです。選んだときの場面や、ほかと迷った経緯を聞くと、具体的な言葉が出てきます。

仕入先や協力会社にも聞いてみましょう。J-Net21では、仕入先はほかの会社とも取引しているため、他社と比べた特色を教えてもらえることがあるとしています。

集める方法と、残し方

  • 納品や工事のあとの電話や訪問で、5分だけ聞く。
  • アンケートは質問を3つまでにして、自由に書く欄を作る。
  • 営業や現場の担当者が聞いた一言を、共有のメモに書き残す。
  • 了解を得られるなら、話している様子を録音・録画しておく。

言われた言葉は、自分の言葉に直さず、そのまま書き残すのがコツです。お客様の言い回しは、そのまま同じ立場のお客様に届く言葉になります。

03集めた声から、強みをどう選ぶ?

10人ほどの声が集まったら、似た言葉をまとめてみます。何人もが同じことを言っていれば、それが強みの候補です。候補は、次の3つの条件で絞り込みます。

たとえば金属加工の会社で「図面が少しあいまいでも、電話で確かめてから作ってくれる」という声が何人からも出たとします。社内では「当たり前の確認」でも、お客様にとっては「やり直しが出ない安心感」という立派な強みです。

一方で、「社長が気さく」「対応が早い」のような声は、ほかの会社でも言えることがあります。比べられたときに、他社との違いとして言えるかどうかを考えましょう。

候補が決まったら、何人かのお客様に「こういう点を評価していただいていると思うのですが、合っていますか」と確かめます。うなずいてもらえれば、自信を持って打ち出せます。

従業員にも同じ質問をして、お客様の声と比べてみてください。現場が誇りに思っていることと、お客様が評価していることが重なる部分は、無理なく続けやすい強みです。

業種別に見ると

お客様の声から見つかる強みは、業種によって出方が違います。考え方の例をまとめました。

税理士・社労士などの士業たとえば士業の事務所なら、専門の知識はどの事務所にもあるため、強みになりにくいものです。お客様に聞くと「専門用語を使わずに説明してくれる」「毎月、顔を出してくれる」など、伝え方や距離の近さが選ばれる理由として出てくることがあります。
自動車整備たとえば自動車の整備工場なら、「交換した部品を見せて説明してくれた」「代車をすぐ出してくれた」といった声が手がかりになります。作業の様子を写真や動画で見せられるようにしておくと、言葉の裏づけになり、初めてのお客様の不安も和らぎます。
食品の製造・販売たとえば和菓子やワインなどの食品の会社なら、味の良さはどの店も言える言葉です。お客様に聞くと「手土産にすると喜ばれる」「季節ごとに選ぶ楽しみがある」など、買う場面が出てきます。その場面を写真や動画にすると、伝わり方が変わります。

04他社と比べられたとき、どんな言葉で伝える?

見積もりを比べられる場面では、「品質が高い」「安心」といった言葉は、どの会社も使うため決め手になりにくいものです。強みは、数字や事実、具体的な場面に置き換えて伝えます。

よく使われる言葉具体的にした例
対応が早い平日の午前中の問い合わせには、その日のうちに返事をします
地域密着甲府市と周辺の現場には、自社の職人が伺います
品質にこだわり出荷の前に、全数を2人で検品しています
実績多数創業から30年、県内の学校や病院の工事を手がけてきました
アフターも安心工事のあと1年目に、無料で点検に伺います

例の数字は、自社の実際に合わせて書き換えてください。書いた数字は、いつ聞かれても説明できるものにしておきます。

地域の事情に合わせた具体的な提案も、地元の会社ならではの強みになります。たとえば「富士北麓の冬の冷え込みを前提にした断熱の提案」のように、山梨の地名や気候が入ると、県外の大きな会社には言いにくい言葉になります。

他社と比べる言い方のルール

消費者庁によると、他社と比べる広告そのものは禁止されていません。ただし、主張が客観的に実証されていること、数字や事実を正確に引用すること、比べ方が公正であることの3つを満たす必要があるとされています。

「顧客満足度No.1」のような表示について、消費者庁は2024年9月に実態調査の報告書を公表しました。表示に見合った調査が行われていない例が少なからず見られたと説明し、法的な責任は広告を出した会社にあるとしています。根拠のない「No.1」や「業界一」は使わないのが安全です。判断に迷うときは、弁護士などの専門家に相談しましょう。

05ホームページ・名刺・動画に、どう落とし込む?

無地のオレンジ色の名刺を片手で相手に差し出す手元

強みが決まったら、まず一文にまとめます。「誰に」「何を」「どう違うのか」が入った、30〜40字ほどの文です。この一文を、お客様が会社と出会う場所すべてで同じように使います。

ホームページでは、トップページの最初の画面にこの一文を置き、その下にお客様の声と、強みが分かる写真を並べます。問い合わせにつながるページの作り方は「ホームページから問い合わせが来ないときに見直すこと」でも紹介しています。

名刺は、渡した相手が後から見返すものです。裏面に一文と、それを裏づける数字を1つだけ入れます。情報を詰め込みすぎると、肝心の一文が目立たなくなります。

動画は、文字では伝わりにくい強みを見せるのに向いています。検品の手元、職人の段取り、お客様と話す様子など、強みの「現場」を映すと、言葉の裏づけになります。展示会のパネルやチラシ、会社案内でも、同じ一文と同じ写真を使います。場所ごとに言うことが変わると、覚えてもらいにくくなります。

強みは、採用にも使えます。お客様に評価されている仕事ぶりは、働く人にとっても誇りになり、求職者には「どんな仕事をする会社か」が伝わります。会社全体を紹介する動画の作り方は「会社紹介動画の作り方」をご覧ください。

06お客様の声を載せるとき、気をつけることは?

集めた声をホームページや動画、チラシに載せるときは、次のことに気をつけます。

  • 載せる前に、お客様の許可を取る:会社名や名前、顔を出すかどうかも確かめる。
  • 言葉を都合よく書き換えない:長い場合は要約してよいか、確認してから。
  • 実際の声だけを載せる:作った体験談は載せない。
  • お礼と引き換えにした声は、その旨を示す:広告と分かるように。

広告であることを隠した宣伝の規制は「小さな会社のSNS炎上対策」、Googleの口コミをお願いするときの決まりは「Googleマップが勝手に英語に?」で紹介しています。

お客様に動画で話してもらう場合は、撮影の前に、どこで、いつまで使うかを伝えて了解をもらっておきます。

お客様の声は、一度集めて終わりではありません。年に1回は聞き直し、強みの一文が今も合っているかを確かめましょう。

07よくあるご質問

Q強みが一つも見つからないときは?
A

長く付き合いのあるお客様に「なぜ続けて頼んでくださるのか」を聞いてみてください。続いている取引には、価格以外の理由が見つかることがあります。答えが価格だけなら、それも大切な発見です。

Q強みは、いくつ打ち出せばいいですか?
A

最初に伝えるのは1つ、多くても3つまでにしましょう。たくさん並べると、印象が散らばってしまいます。ほかの強みは、ホームページの下の方や、商談の場で伝えます。

QSWOT分析などの手法を使ったほうがいいですか?
A

手法は整理の道具として役立ちます。ただ、表を埋める前に、お客様の声を集めることが先です。外の人の言葉がないまま考えると、社内の思い込みを書き写すだけになりがちです。

Q見つけた強みを、動画やデザインにしてもらえますか?
A

はい。ホマレグラフ株式会社では、強みが伝わる会社紹介の動画、ホームページや名刺などのデザインについて相談できます。お客様の声をお聞きするところからご一緒することもできます。ご相談・お見積もりは無料です。

まとめ

自社の強みは、社内では見えにくく、思い込みにもなりがちです。お客様に選んだ場面や迷った経緯を聞き、何人もが口にする言葉から、他社との違いとして言えて、これからも続けられるものを選びましょう。伝えるときは、数字や事実、具体的な場面に置き換え、根拠のない比較やNo.1は避けます。決めた一文をホームページ、名刺、動画で同じように使いましょう。

参考:中小企業基盤整備機構 J-Net21「SWOT分析をする上で自社の強みの見つけ方を教えてください」/消費者庁「比較広告」/消費者庁 長官記者会見要旨(2024年9月26日、No.1表示に関する実態調査報告書)(いずれも2026年10月27日に確認)

この記事を書いた人 木本 一心ホマレグラフ株式会社 代表取締役 / Ad Arch グループ 山梨県拠点代表

山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。

この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。

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