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ホームページやチラシの写真、使っていい?
フリー素材・ネットの画像・撮影を頼んだ写真の権利

執筆:木本 一心(ホマレグラフ株式会社 代表)出典 5件を記事の最後に掲載
夕暮れの草原で三脚を立てて撮影する人の小さな後ろ姿

ホームページを作り直すとき、チラシを作るとき。「この写真、使って大丈夫かな」と手が止まることはありませんか。フリー素材、ネットで見つけた画像、カメラマンに頼んだ写真。どれも使い方を間違えると、あとから連絡が来ることがあります。この記事では、写真にある権利、規約の読み方、写り込みの考え方を、文化庁の資料をもとに整理します。いま載せている写真、出どころを言えますか。

01写真には、だれのどんな権利がある?

写真は、著作権法で守られる「著作物」の一つです。著作権は、撮った時点で自動的に生まれ、登録などの手続きはいりません。ですから、ネットに公開されている写真にも、ふつうは撮った人の著作権があります。

著作権は、一つの権利ではなく、いくつかの権利のまとまりです。写真をコピーする権利、ネットで見られるようにする権利、トリミングや合成などで作り変える権利などがあり、どれも原則として撮った人が持っています。

1枚の写真には、撮った人の権利のほかにも、気をつけたい権利が重なっていることがあります。

写っている人の顔や姿については、肖像権の考え方があります。社員が写るときの同意の取り方は「社員を動画に出すときの同意書」で紹介しています。この記事では、主に撮った人の権利(著作権)を見ていきます。

02フリー素材の規約は、どこを読めばいい?

「フリー素材」の多くは、著作権がなくなった写真ではありません。権利を持つ人が、決めた条件の中で無料の利用を認めている写真です。条件はサイトごとに違うため、使う前に利用規約を読む必要があります。

規約で確かめたいのは、次の5つです。

確かめること規約の例
商用に使えるか会社の広告やホームページに使ってよいか
使える点数の上限いらすとやでは、素材を21点以上使う商用デザインは有償
商品にして売れるかぱくたそでは、カレンダーやポスターなどの商品にして売ることはできない
人物写真の使い方ぱくたそでは、モデルをイメージキャラクターや公式イメージとして使うことは原則禁止
クレジットの表記必須か、任意か。書き方の指定はあるか

表の例は、2026年10月に各サイトの規約で確かめた内容です。いらすとやは、加工しても著作権は移らないと明記しています。ぱくたそも、パブリックドメインや著作権フリーの素材ではないとしています。

規約はあとから変わることがあります。使った日の規約を、画面の保存などで残しておくと、問い合わせが来たときに説明しやすくなります。

もう一つ気をつけたいのが、出どころです。「フリー素材」と書かれていても、配布元が分からない画像は、本当に使ってよいのかを確かめようがありません。配布元が分かり、規約が載っているサイトから入手しましょう。

有料の写真素材サイトも考え方は同じです。お金を払って手に入るのは、写真の著作権ではなく、決められた範囲で使える権利です。印刷物に使えるか、広告に使えるかなど、買う前にライセンスの内容を確かめましょう。

03ネットで見つけた画像は、載せてもいい?

画像検索で見つけた写真や、ほかの会社のホームページの写真を、自社のホームページやチラシに載せる。これは、写真をコピーし(複製)、ネットで見られるようにする(公衆送信)ことにあたり、ふつうは撮った人の許可が必要です。

「出典を書けば大丈夫」と思われがちですが、そうとは限りません。著作権法の「引用」として許可なく使えるのは、次の条件を満たす場合です(文化庁の著作権テキストより)。

  • すでに公表されている著作物であること
  • 報道、批評、研究などの目的のための、正当な範囲の利用であること
  • 引用する必然性があり、引用部分がはっきり分かれていること
  • 自分の文章が主で、引用は従であること。量は必要最小限であること
  • 出どころを明示すること

お店の雰囲気を伝えるために、きれいな風景写真を借りて飾る。こうした使い方は、引用の目的に当たらないと考えておくのが安全です。

SNSでも同じです。アプリの共有機能を使って紹介するのと、画像を保存して自社の投稿として載せ直すのとは、扱いが違います。保存して載せ直すときは、ふつう投稿した人の許可が必要です。画面を撮ったスクリーンショットも、写真をコピーしていることに変わりはありません。

著作権を侵害すると、掲載の差し止めや損害賠償を求められることがあります。刑事罰の規定もあり、法人には3億円以下の罰金が定められています。富士山や桃の花のような山梨らしい写真が足りないときも、自社で撮るか、使ってよい条件がはっきりした写真を選びましょう。

04撮影を頼んだ写真は、自社のもの?

お金を払って撮ってもらった写真でも、著作権は撮った人やその会社に残るのが原則です。社員が仕事として撮り、会社の名前で公表する写真は、会社が著作者になる場合があります。契約での決め方は「動画制作の依頼の流れと見積書の見方」で詳しく紹介しています。

写真で見落としやすいのが、ホームページを作り直すときです。前の制作会社が用意した写真を、新しいサイトでも使えるとは限りません。制作会社が契約していた有料の素材や、その会社が撮った写真の場合、使える範囲がそのサイトに限られていることがあります。

撮影を頼むときは、次のことを先に決めておくと安心です。

写真を使う場所は、あとから増えがちです。ホームページだけのつもりが、チラシ、SNS、展示会のパネル、動画の一場面にも使いたくなる。考えられる使い道は、最初にすべて伝えておきましょう。

加工についても決めておきましょう。撮った人には、意に反して作品を変えられない権利(同一性保持権。著作者人格権の一つ)があり、この権利は譲ることができません。切り抜きや合成をする予定があるなら、その旨も契約に入れておくと安心です。

05写り込みは、どこまで大丈夫?

写真の背景に、ほかの人のポスターや絵画、キャラクターが写ってしまうことがあります。著作権法には、こうした「写り込み」を許可なく使える決まり(第30条の2)があり、2020年10月に施行された改正で対象が広がりました。

文化庁の資料では、主な条件は次のとおりです。

  • 写真全体から見て、写り込んだものが小さく、軽い一部分にとどまること
  • 利益を得る目的があるか、分けて撮るのが難しかったか、写り込んだものの役割などから見て、正当な範囲であること
  • 著作権を持つ人の利益を、不当に害さないこと

店内の写真で、壁に貼った映画のポスターが大きく写っている場合は、撮り直すか、写らない角度を選ぶほうが安心です。地域のお祭りやイベントの写真で、キャラクターの着ぐるみや作品が主役のように大きく写っている場合も、同じように考えましょう。お客様の顔や車のナンバーなど、著作権以外の写り込みは「小さな会社のSNS炎上対策」をご覧ください。

06写真を載せる前に、何を確かめる?

写真のトラブルは、何年も前に載せた写真から起きることがあります。担当者が替わると、出どころが分からなくなるからです。写真を使うたびに、次の流れで確かめて記録しておきましょう。

記録は、表計算ソフトの簡単な一覧で十分です。写真のファイル名、出どころ、撮った人や配布元、使える範囲、期限、確かめた日を1行ずつ残します。いまホームページに載っている写真から、まず一覧にしてみるのがおすすめです。

出どころが分からない写真は、差し替えを考えましょう。自社で撮った写真は、お客様にとっても「本当の様子」が伝わる材料になります。

山梨なら、ぶどう畑や桃の花、富士山の見える景色など、季節ごとに撮っておきたい場面があります。年に何回か、自社の周りや仕事の様子をまとめて撮っておくと、何年も使える写真の在庫になります。

この記事は一般的な考え方の紹介です。判断が分かれる場面も多いため、迷う写真は、使う前に弁護士などの専門家に確認しましょう。

業種別に見ると

写真の悩みは、業種によって起きやすい場面が違います。考え方の例をまとめました。

不動産仲介たとえば不動産の仲介なら、物件の写真が欠かせません。ほかの会社のサイトや、前の管理会社が撮った写真をそのまま使うのは避け、自社で撮り直すのが基本です。外観の写真では、隣の家の表札や、駐車場の車のナンバーが写っていないかも確かめましょう。
飲食店たとえば飲食店なら、お客様がSNSに載せた料理の写真を使いたくなることがあります。写真の著作権は投稿した方にあるため、使う場所と期間を伝えて許可をもらいましょう。季節のメニューは、仕込みの段階から自店で撮っておくと、チラシにも使い回せます。
ワイナリー・観光農園たとえばワイナリーなら、ぶどう畑の四季やワインのボトルが主役の写真になります。ラベルの絵を作家に描いてもらっている場合は、その絵を写真や広告にどこまで使えるかも確かめておきましょう。収穫体験の写真では、参加したお客様の了解も忘れずに。

07よくあるご質問

Qフリー素材なら、加工して使ってもいいですか?
A

加工してよいかは、素材ごとの規約によります。加工しても著作権が自社に移るわけではありません。規約で加工が認められているか、使う前に確かめましょう。

Q無断で使っていた写真に気づいたら、どうすればいいですか?
A

まず、その写真を載せている場所をすべて確認し、差し替えや削除を検討します。権利者から連絡が来ている場合は、自己判断で返事をする前に弁護士などの専門家に相談しましょう。

Qお客様がSNSに投稿した写真を、ホームページに載せてもいいですか?
A

投稿した方に著作権があるため、許可をもらってから使いましょう。写っている人の了解も必要です。使う場所と期間を伝え、やりとりの記録を残しておくと安心です。

Qホームページやチラシに使う写真の撮影を頼めますか?
A

はい。使う場所をうかがったうえで、ホームページ、チラシ、SNS、動画で使える写真や映像の撮影を相談できます。使える範囲は、撮影の前に取り決めます。ご相談・お見積もりは無料です。

まとめ

写真には、撮った人の著作権があり、写っている人や物の権利が重なることもあります。フリー素材は規約の条件の中で使い、ネットで見つけた画像は許可なく載せない。撮影を頼んだ写真も、使う場所と期間を先に取り決める。写り込みは、小さく軽い一部分かどうかを見る。写真ごとに出どころを記録しておく。これが、知らずに権利を侵さないための備えです。

参考:文化庁「著作権テキスト(令和8年度版)」/文化庁「令和2年通常国会 著作権法改正について」(写り込みの対象範囲の拡大)/文化庁「いわゆる『写り込み』等に係る規定の整備について」/いらすとや「ご利用について」/ぱくたそ「利用規約」(2026年8月27日更新)

この記事を書いた人 木本 一心ホマレグラフ株式会社 代表取締役 / Ad Arch グループ 山梨県拠点代表

山梨県甲斐市と東京都港区を拠点に、映像制作を軸に、SNSマーケティングと広告の事業を行っています。映像の企画・撮影・編集から、TVer広告やSNS運用まで、広告エージェンシーとして1社でまとめてお任せいただける体制です。全国24拠点・TVer広告の正規代理店ネットワーク「Ad Arch グループ」の一員です。

この記事の数字や制度は、官公庁・業界団体・各社の公式発表で確かめたものだけを載せ、出典を記事の最後に並べています。内容は公開日時点の情報です。

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